優勝候補の筆頭に挙げられている実力者の勝みなみ(鹿児島高校1年)だったが、第1ラウンドは、ティーショットを立て続けに林に打ち込み、連続ボギーを叩く最悪のスタートとなった。
「実は、このところドライバーショットの調子が悪くて、昨日の練習ラウンドでも林やラフに曲げることが多かったんです。スウィングは、いつものようにやっているんですけど、テイクバックで右手に力が入ってしまって、切り返しのタイミングがずれるんです。それが原因だとは思っているのですけど、いざボールに向かうと、やっぱり力が入ってしまう。今日も、そこを意識してやってみたのですが、うまくいかなくて…。不安を抱きながらのスタートでした。結
果は、やっぱりミスショットでした」。
ドライバーを手にした前半の7ホールで、フェアウェイに打てたのは8番の1度だけ。同じ組でプレーした女子ナショナルチームの仲間である永井花奈(日出高校2年)もティーショットを曲げていた。二人で「後半はドライバーでのフェアウェイヒット勝負をしようということで話がまとまり、負けた方がラムネを奢ることになりました。で、やっぱり私の負けでした」。
そんなことで気分転換を図っていたのだ。ショットは、やや持ち直し、チャンスも作り出せるようになっていた。連続ボギーのスタートのあと、前半では3バーディを奪って1アンダーパーでの折り返し。後半は4バーディ(1ボギー)を加えて終わってみれば4アンダーパーの68。「あのショットでもなんとかスコアをまとめられた。今日は、“よく耐えた”と自分を褒めます。今大会の目標ですか? 目標はありませんけど、テーマはあります。とにかくフェアウェイキープ率を上げることです」。
ラッキーもあった。連続バーディの上がりとなった17、18番のうちの17番グリーンでのことだ。4メートルのフックライン。打ち出しは、想定していたラインより左に転がった。それが、カップの手前でボールが「何かに当たって、ちょっと右に跳ねて、ライン上に戻ってくれたんです。だれかに(カップに)入れてもらった感じでした」。
我慢していると、こんな恵みもある。勝の不思議なゴルフだった。
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