永井花奈(日出高校2年)と勝みなみ(鹿児島高校1年)。二人の強豪が、2日間同組でラウンドした。「練習ラウンドでは、何度か一緒にまわっていてお互いに気が合う同士ですが、試合では初めて」(永井)だという。永井は、今年の関東女子ゴルフ選手権のチャンピオンである。
「お互いにドライバーショットが曲がって、深刻になりそうなところを話しかけたり、かけられたりで、シュンとならずにゴルフができて、楽しかった」と、2日間のラウンドを振り返った。
第2ラウンド、両選手にとってのハイライトとなったのは3番(パー4)だった。ともに第2打でグリーンを外していた。勝はグリーン右手前のラフ。そして永井は左サイドのバ
ンカーに打ち込んでいた。先に勝が打った。このアプローチショットが、グリーンにバウンドして転がり、カップに沈んだ。チップインのバーディだった。これを見た永井は「凄いなあ…」と、感心しながらバンカーへと入っていった。ピンまで10ヤード。足場の砂は硬く感じたが、ソールをはねられてホームランになる不安を打ち消して思い切りよくヘッドを振り抜いた。フワリと上がったボールはピンの手前でギュギュっとスピンがかかり、これまたカップへと消えていった。
片やラフから、一方はバンカーからのチップイン・バーディの競演であった。
永井は、これで勢いづいて続く4番、さらに5番と3連続バーディ。さらに7番(パー3)では「昨日乗ったところにピンが立っている」と、イメージを前日に戻してのショット(5番ウッド)で1メートルにつけた。そして最終ホールとなった9番(パー5)でも「ピンが手前だから、第3打はSW(56度)でフルスウィングできる距離を残してピンの根元を狙う」という計算通りのレイアップ作戦でバーディを奪ってのホールアウトとなった。3番のチップインから7ホールで5バーディの猛攻であった。この日のスコアは68。これで通算3アンダーパーにまで浮上した。
一方の勝は、チップイン・バーディの後も波に乗り切れなかった。続く4番をボギー、5番(パー5)ではこの日4つ目のバーディを奪ったものの、8番でダブルボギーを叩くちぐはぐなゴルフで、71とスコアをひとつ伸ばしただけで通算5アンダーパーパーにとどまり、首位の畑岡に大きく水を開けられる結果となった。
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