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【猛追も届かなかった渡辺司が2位】 |
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第4日
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競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi Kentaro Shiba |
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最終ラウンドに8バーディ・ノーボギーの64。トップの倉本昌弘、井戸木鴻樹と6打差からスタートした渡辺司が、猛追し、スコアボードを駆け上っていった。前半の9ホールで5バーディを奪い、この時点で通算11アンダーパー。最終組の二人を射程圏内にとらえていた。
勢いは後半にターンしても止まらなかった。10、13、15番とさらに3バーディを加えて、倉本に並んだ。その倉本は、14番でグリーン手前カラー部分から3パットのボギーを叩き、通算13アンダーパーに。ついに渡辺が単独トップに立った。残り3ホール。ここから渡辺の勢いが止まった。
「15番ホールまでは、すごくいい日だった。ドライバーでいいショットを
打った後のグリーンへのショットが、すべて手にしたクラブで気持ちよくスウィングできる距離だった。7番じゃ大きいし、8番ではちょっと足りない。そういう距離が残る日は、なかなかバーディチャンスは作れない。うん、自分の技術じゃね。気持ちよく振れば、ちょうどいい。そうなると迷わずに打てるじゃないですか。まさに15番までは、そういう流れだったんです」。
それが勝負どころにきて、流れが変わってしまった。いわゆる中途半端な距離が残り、気持ちよく振れなくなってしまったというのだ。その典型だったのが、最終18番(パー5)であった。ドライバーショットが、フェアウェイサイドのバンカーの縁近くに止まった。そこからグリーン右サイドの池を避けてのレイアップ。第3打は、ピンまで88ヤードの距離だった。
「サンドウェッジではバックスピンで戻り過ぎてしまいそう。アプローチウェッジだと、自分の気持ちよく打てる距離は105ヤード。迷った末にアプローチウェッジでコントロールすることを選択したけど、飛び過ぎを警戒して中途半端なスウィングになってしまった。体が、心の迷いに勝手に反応してしまうんですよね。右手前に6メートル以上ショートして2パットのパーで終わってしまいました。優勝した倉本さんは、上がり3ホールで2バーディ(16、18番)でしょ。この差ですよ。自分の18番の3打目が、あと5ヤード先か、10ヤード後ろから打てる状況なら、もっとしっかりバーディチャンスにつけられたと思う。ゴルフでは、こんなことが勝者と敗者に分けるんですよね」。
インタビューしているところに表彰式を終えた倉本がやってきた。顔を合わせるなり「ビックリさせるなよ、司。“これはやられるかな”って、焦ったぞ」。渡辺が応じる。「最終組の二人だけの勝負になったら、試合が甘くなるでしょ。ちょっと二人のスコアを伸ばさせてやろうかな…なんて考えたんですよ」
「余計なことを(笑)」(倉本)
「いやいや、いい試合になったでしょ」(渡辺)
勝者と敗者の、短いやりとりだったが、勝者は敗者の健闘を称え、敗者は勝者を祝福する気持ちが、最後にガッチリ握手した姿に現れていた。
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