2014年度(第24回)日本シニアオープンゴルフ選手権競技
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一般財団法人上月財団
日本シニアオープンは、一般財団法人
上月財団の助成を受けています。
大会のみどころ:シニア日本一の座につくのは?優勝争いで最後にモノをいう闘争心。
シニア選手たちの1打の背景

局面の判断、決断。何が出来て、何が出来ないのか。何をやるべきか、何をやってはいけないのか。長いゴルフ人生を過ごしてきたシニア選手たちには、その間に培ってきた多彩な技と経験があり、それを武器にして戦う。
そう考えがちだが、実際は違う。

歴代優勝者に名を連ねる渡辺司は言う。
「我々のゴルフ人生は、けっして足し算じゃない。長く続けてきたことは確かだけど、ある時点から引き算が加わったり、ほとんど白紙状態になったりもする。したくない経験も含まれてくる。例えば、それまでなら何も考えずに意識するだけで勝手に体が反応してくれたことが、突然反応しなくなったり、アプローチショットに悩みだしたり、パッティングでスムーズにストロークできなくなったり…。なんとか自分を立ち直らせようと、もがいても、答えがすぐには見つからない。
じゃあ、今の自分に何ができるのか。どうすれば現状でのベストスウィング、ベストストロークができるのか。自分を見つめ直し、ゴルフの組み立てからやり直さなければならないこともある。レギュラーツアー時代からシニアツアーへ、順風満帆のゴルフ人生を続け、送ってきた人なんて皆無といってい
い。体が悲鳴をあげて、ついには故障して、それでも騙しながら、なだめながら試合に臨む。

誰もが、多かれ少なかれ、そうして戦いを続けているのだと思う。 ツアープロとしては、苦しむ姿、苦しんだ形跡は見せたくない。
だから、トーナメントの舞台では、ことさら明るく振る舞うようになる。いとも簡単にピンチを切り抜けて見せたり、バーディチャンスを生み出してみたりして、さすがプロというところを披露したいという思いに駆られる。1打の背景が、重く、暗くならないようにね」。

シニア選手たちの1打は、実に奥が深い。
その深淵を覗くことこそが、ギャラリーにとっての最大の楽しみであってほしい。
ひとりひとりの1打に思いもよらない背景が潜んでいる。

飽くなき闘争心が優勝争いに熱をこもらせる
今季のシニアツアーは、この日本シニアオープンゴルフ選手権で9戦目を迎える。

開幕戦の金秀シニア沖縄オープンを制したのは、中根初男であった。大会連覇を狙った崎山武志をプレーオフで下しての優勝だった。
両者は、同年齢で“51歳対決”として注目された。勝った中根は、これがレギュラー時代も含めてプロ初優勝であった。25歳でプロ入りし、30歳のときにイップスに襲われた。テイクバックでクラブが動かない。10年間、このイップスに悩まされ続けた。中根の現在のテイクバックは、ちょっとユニークである。アドレスでクラブヘッドを大きく浮かせておいて、いったんティーアップしたボールの上を飛球線方向に通過させてからその反動を利用してバックスウィングへと移行するのだ。ちょっと大袈裟なフォワードプレスだと思ってもらえばいいだろう。この方法にたどり着くのに10年の歳月が必要だった。「妻も息子も、僕が優勝したといっても信じないでしょうね」と笑いながら語る中根の、これが1打の背景である。

第2戦のKYOURAKU MORE SURPRISE CUPでシニアツアー2勝目を挙げた奥田靖己は、今年に入ってすぐに胆石になり、40日間もゴルフから遠ざかっていた。おまけに白内障でパッティングラインを読み切れない。そんな状態で陳志忠とのプレーオフまで進み、勝ち抜いた。前年の同CUPでは、室田淳とのプレーオフに敗れているから、相手は違っても同じプレーオフによるリベンジであった。

 
羽川豊 尾崎健夫 ディフェンディングチャンピオン室田淳
中嶋常幸
熱戦熱闘を繰り広げる熟年の技が導き出す波乱のドラマ
加瀬秀樹が2010年日本プロシニアゴルフ選手権以来4年ぶりの優勝を果たしたISPS・HANDA CUPでは、開幕戦でプロ初優勝を飾った中根が最終18番(パー5)でイーグルを奪って羽川豊、三好隆とともに2位 タイに入った。プロ初優勝が、けっしてフロックではなかったことを証明してみせる健闘であった。
ファンケルクラシックで羽川豊が大会連覇を果たした後の第7戦、コマツオープンでは、尾崎健夫が弟の直道の猛追をしのぎ、復活優勝を果たした。「(戦い方、優勝の仕方を)すべて思い出した」という5年ぶりの美酒であった。そして1打差に敗れた尾崎直道は、第8戦の日本プロシニア選手権で室田淳、渡辺司との4ホールに及ぶプレーオフの末に2年ぶりの勝ち名乗りを挙げた。この3選手は、本選でも最終ラウンド最終組でのプレーだったから、文字通りの“延長戦”だった。
優勝争いで、最後にモノをいうのは闘争心。尾崎健夫が思い出したというのは、忘れていた闘争心への火のつけ方であったのかもしれない。“日本”タイトルとなると目の色を変える中嶋常幸の逆襲にも、大きな期待が寄せられる。
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