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Championship Report
競技報告
2014年度(第26回)エスピリトサントトロフィー 世界女子アマチュアゴルフチーム選手権
【攻めきれず、守り切れず…日本チームは実力を出し切れずに9打差スタート】
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第1日
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競技報告:塩原義雄 写真:Y.Watanabe |
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首位カナダに9打差。日本チームは、出遅れた。勝みなみ、松原由美、岡山絵里と日本女子アマチュアランキングの上位3人で構成されたチームである。第1ラウンドにアンダーパーをマークしたのは松原だけで、勝は2オーバーパーの74、岡山は6オーバーパーとスコアを崩した。チームスコアは上位2選手の合計なので、松原と勝のスコアが採用されてのイーブンパーであった。
ホールアウト後に、ちょっと余裕を感じさせてくれたのは松原だった。
今年前半までは女子ランキング1位に君臨していたが、高校生になって、本来の調子を保てずにいた。国際競技はもとより、日本女子アマ、日本ジュニアでも調子は戻らず、勝に1位の座を明け渡し
た。体が大きくなった分だけスウィングのリズム、タイミングがずれてきてショットに影響するようになったのであろう。今大会も練習ラウンドにはショットがまとまらずに左右に大きく曲げるシーンが目立っていた。
それが、いざ開幕すると3バーディ・1ボギーとうまくスコアをまとめてきた。前半はアプローチショットとパッティングでピンチをしのぐ展開。1バーディ・1ボギーの内容で後半にターンすると、ショットの修正もできてきて、バーディチャンスを作れるゴルフへと変化した。2バーディでボギーはなし。「第1ラウンドとしては、良いスタートが切れたと思っています。ショット修正もある程度できたので、(第2ラウンドからは)もう少し攻めのゴルフを展開できるとも思います」と、悔し涙を流した前回大会のリベンジに、明日は持ち前の攻めのプレーでチームを牽引することを誓った。
ランキング1位で8月の日本ジュニアゴルフ選手権競技(15~17歳の部)で最終ラウンドに6打差を逆転して初優勝を果たしたばかりの勝は、チームのポイントゲッター的存在として期待された。2オーバーパーでのホールアウトとなり、阪本知子チームキャプテンに出迎えられたときには顔色を失っていた。ショックが全身を覆っているようだった。2バーディ・4ボギーの74。
「よかったのはドライバーショットだけで、あとは、アプローチショットもパッティングもうまくいきませんでした。問題は、その理由が、ラウンド中にはわからなかったところなんです。これまでにも、そういうことがあり、そんなときは4オーバーパーとか5オーバーパーを叩いていたので、今日は、そんなことにならないようにと、そればっかりが意識にあって…。練習ラウンドもしっかりさせていただいたのに、グリーンでも戸惑いばかりでした。切れると思ったラインが切れなかったり、まっすぐだと思ったのに、微妙に切れたり…。技術的なことではなく、何かの感覚がずれてしまったのかな…。本当によくわからないまま1日が終わってしまいました。これからドライビングレンジにいってアイアンショットを修正します。18番で第2打を左バンカーに入れたのですが、あのショットもなんで左にいったのか、いまでもわかっていませんから」。
日本ジュニアで苦しんだドライバーショットが復調したことは好材料と言えるが、新たな悩みも抱えてしまった勝。日本ジュニアでは、周囲からの期待も大きい中で、見事な逆転劇を演じてみせたメンタルの強さを発揮して、明日は勝本来の攻めのプレーを見せてもらいたいところだ。
本選手権初出場の岡山は、「スタート時間が近づくのと緊張度が比例するようにドキドキしてきて、そのままスタートすることになったら、あたふたしてしまいました」と悔しがる。
会場入り口に出場チームの国旗が並び、はためく世界アマチュアゴルフチーム選手権ならではの独特の雰囲気。会場に足を踏み入れたときから、別世界が広がる。岡山は、その雰囲気に飲まれてしまったようだ。前半9ホールは5ボギーで41。後半は1バーディ・2ボギーとようやく落ち着いたが、チームに貢献することなく終わってしまった。
出遅れたチームに阪本キャプテンも言葉少なだった。
「昨日のミーティングでは、“やるべきことはやったので、ベストを尽くそう”と話しました。でも、3人とも目に見えないプレッシャーで金縛りにあってしまったかのように動きが硬かったですね。このコース、そして上位チームのレベルを考えると、最高にうまくかみ合えば10アンダーパーぐらいのスタートになるのかな、と思っていました。カナダチームが9アンダーパーですか。うちが、そうならなかったのは残念ですが、(トップチームのスコアは)想定はしていました。明日は、日本チームがそうなるように期待します」。
さて、日本チームは、ここからどう巻き返すのか。
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