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Championship Report

競技報告

2014年度(第26回)エスピリトサントトロフィー 世界女子アマチュアゴルフチーム選手権

【勝みなみがイーグルを含むベストスコアを叩き出す】
第2日 競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi
じっとボールの行方を見守る。15番(パー5)、勝みなみの第3打であった。ピンまで155ヤード。緩やかな打ち上げでピンの根元は見えない。ボールは、ピンに向かってまっしぐらに飛んでいた。手応えはあった。見えないグリーン面ではあったが、ピン手前に落ちてカップに転がり込むイメージまで湧いていたという。そのイメージが現実のものになったことを知るのは、グリーン脇で湧き上がった歓声と「入った!」という叫びが耳に届いた瞬間だった。勝は、拳を突き上げ、跳び上がっていた。

前半を1アンダーパーで折り返し、後半に入ってバーディラッシュが続いていた。11番に続いて13、14番と決めて迎えた15番であった。
3打で手にしたのは7番アイアン。構えたときに、ちょっと右を向いている気がしたという。そこで、フェースをわずかに閉じてアジャストした後に放った1打であった。勝は、仕切り直しをしない。「ルーティーンを大切にしているので、大きな違和感がない限り、フェース向きの微調整で済ませてしまいます」。それで、まっすぐに打ち出す。フェース向きを変えるとショットがどちらかに曲がる危険性があるのだが、勝には、それでもストレートボールを打つ感性がある。

このイーグルで一気に6アンダーパーまでスコアを伸ばした。さらに本選手権押立コース名物の最終18番(パー6)もバーディに仕留めて、67でのホールアウトとなった。第2ラウンド、出場全選手の中でのベストスコアである。
先にホールアウトしてグリーンサイドに出迎えていた岡山絵里、松原由美のチームメイトや阪本知子キャプテンらが待ち構える中に飛び込んでいく。グリーンサイドに大きな輪が広がった。

ホールアウト直後の勝は、意外な思いを抱いていた。「7かぁ…」。この“7”とは、もちろん7アンダーパーのこと。実は、勝は第2ラウンドの目標スコアを8アンダーパーの64に設定していた。昨日のラウンドでは74と不本意な結果だった。その足で向かったドライビングレンジ。スウィングチェックをし始めると、すぐに修正点が見つかったという。「ダウンスウィングで右足の上がりが早かったんです。ほんのちょっとしたことだったのですが、ちょっとしたことだからこそ、ラウンド中には気がつかないまま終わってしまいました」。


修正後は、スウィングもショットも本来の調子に戻っていた。50球も打たないうちに「本来の感触を取り戻せたので、第2ラウンドには、いけるという自信もつかめました」。
ということで、勝の持ち味である攻めのゴルフが息を吹き返し、自分の中で大爆発の予感が芽生えていたのであった。結果は「7かぁ…」で、目標にしていた8アンダーパーには届かなかったが、「残り2日間に向けて、相手のことはあまり意識せずに、自分のゴルフに徹すればいい。そういう状態になったと思います」。エースの爆発で、日本チームは、にわかに活気づいた。逆転、そして史上初の優勝にまで期待が一気に膨らんできた。

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