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Championship Report
競技報告
2014年度(第26回)エスピリトサントトロフィー 世界女子アマチュアゴルフチーム選手権
【内容は悪くなかったが爆発力に欠けた日本チームは一歩後退】
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第3日
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競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi / Y.Watanabe |
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勝みなみが3アンダーパーの69、松原由美と岡山絵里が2アンダーパーの70。全員がアンダーパーのラウンドだったが、チームとしては5アンダーパーで3日間のトータルは17アンダーパー。首位をキープするカナダとの差はスタート前の2打差から6打差に広がってしまった。順位も韓国に抜かれて2位から3位へと後退した。
阪本知子キャプテンが、第3ラウンドのチームを振り返って、こう語る。
「それぞれに頑張ってくれて、決して悪いという内容ではないと思います。ただ、昨日のような爆発力には欠けたかな…という思いはあります。カナダ、韓国はじめ、第3ラウンドに大きくスコアを伸ばしたチームは、誰かがビッグスコアを叩き
出してチームスコアに反映させていました。実は、大会前に目標としていたのは1日5アンダーパーでしたので、そのラインはクリアしています。その意味では、みんな本当によく頑張ってくれています」。
日本チームの目標設定スコアの上をいっているのがカナダと韓国というわけだ。勝みなみは、チーム、個人ともにトップをゆくカナダのブルック・ヘンダーソンとの同組対決だった。同じ16歳で、国際競技でも何度か顔を合わせている。ヘンダーソンは、世界アマチュアランキングの2位で、今年の全米女子オープンでは最終ラウンドに69をマークして全体の10位タイでローアマチュアの栄誉を獲得している。
勝がバンテリンレディスでツアー競技にアマチュアとして優勝して話題をさらったが、ヘンダーソンもまた今シーズン、カナダ女子ツアーのオンタリオストップでプロを制して優勝している。
この日の両選手のゴルフは、どうだったか。「相手のことは気にせず、自分のプレーに集中する」と口にしていた勝だったが、いざスタートするとヘンダーソンに魅せられてしまったという。
「ドライバーショットは、とてつもなく飛ぶし、曲がらない。パッティングも思わず“上手いなあ…”と声をもらしてしまったほどきっちり決めてくる。で、可愛いでしょ。“凄いなあ、飛ばすなあ、可愛いなあ…”と見ているようじゃ、ファンといっしょですよね。今日、いまいち闘争心が沸いてこなかったのは、そのせいかもしれません。明日は、やっつけてやるという気持ちで戦います」。
松原由美も、勝と似たような感想をもらしていた。「世界のトップアマは、自分よりずっと簡単にゴルフをしている気がします。ドライバーは、まっすぐにフェアウェイに打ち、そこから確実にグリーンに乗せてくる。あとはパットが入るか入らないかだけ。崩れようにない安定したゴルフを続けています。コースであたふたする自分のゴルフとは違うなぁ…と、勉強させられることばかりです。戦い以前のレベルを知らされてしまいます」。
松原は第3ラウンドに5バーディを奪っている。それでいてスコアは70。ラフから無理をしてダブルボギーにした14番のプレーと、11番のボギーが響いていた。「ゴルフが易しく見えるようなゴルフ。自分も、それを目指していきたい」。
第3ラウンドの日本チームは、戦いというより“勉強会”のような雰囲気の中でのプレーとなってしまったようで、それが、爆発力を削いでしまったのかもしれない。
7打差を追っての最終ラウンド。阪本キャプテンは「これまで4位が最高成績の日本にとって、3位以上になることは悲願です。なんとか、達成したい。第2日のようにとまでは言いませんが、悪くても7、8アンダーパーのチームスコアを出してもらいたいと願い、期待しています」と締めくくった。
松原と同スコアの2アンダーパーに終わった岡山はパッティングに悩まされた。スタートでボギーを叩く嫌な流れも、「今日は絶対に伸ばさないといけない」と気持ちを奮い立たせ、6、7番を連続バーディ。8番ボギーで前半はイーブンパーに終わる。後半もショットは切れていたが、「バーディチャンスはありましたが、ラインが難しくて入らなかった」と2バーディに終わった。
最終ラウンドを最終組でプレーできることは、「みんなで力を合わせて最終組でプレーできる順位にいることを嬉しく思います。昨日、自分たちが12アンダーパーを出したようにチーム戦は何が起こるかわからないので、ガンガン行くつもりで頑張ります」と明日のビッグスコアを誓った。
勝の「日本ジュニアで最終ラウンドに1番でいきなり7打差に広げられてから逆転したように、ゴルフは、何が起こるかわかりません。攻めます。明日は、それしか考えずに1打に集中していきます!」という戦いぶりにも注目したい。
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