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Championship Report
競技報告
2014年度(第29回)アイゼンハワートロフィー 世界アマチュアゴルフチーム選手権
【耐えるゴルフに終始した3日間。明日こそ攻めのプレーに期待したい日本チーム】
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第3日
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競技報告:塩原義雄 写真:Gary Kobayashi Yoshitaka Watanabe |
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コースコンディションにも慣れてスコアを伸ばす上位陣。日本チームは逆にスコアを落として大きく遅れてしまった。小西健太と小木曽喬が1オーバーパーの72、小浦和也は3オーバーパーの74(不採用スコア)と全員がオーバーパーで、チームとしては2オーバーパー。通算6アンダーパーと優勝争いの“圏外”にまで後退した。
「明日(第3ラウンド)は、午前中のラウンドだからグリーンも荒れていない状態でプレーできる。思い切ってスコアを伸ばしていこう。前夜のミーティングでは、そんな話をしました」と堀田勝市キャプテンは語っていたが、蓋を開けると、全員がグリーンで悩まされることになった。
第3ラウンドは、第2ラウンド
までの個人通算スコアによってプレーの順番が変わる。小西が1番手で小木曽、小浦の順でティーオフしていった。堀田キャプテンは、小西の爆発力に期待し、牽引役に指名したという。その小西は「前半のゴルフのことは、よく覚えていないんですよ」というほどフラストレーションを溜めていた。1番で短いパーパットをはずした後、3番ホールでも1メートルをミスしてふたつめのボギー。そして9番ではティーショットを右林に打ち込み、リカバリーに失敗した上にこれまた短いボギーパットまで外してダブルボギーにしてしまった。これが、本人は「よく覚えていない」という前半9ホールの内容で、4オーバーパーでのハーフターンとなった。後半は4バーディ・1ボギーと挽回したものの、1オーバーパーでのホールアウトとなってしまった。
「追い上げていかなければいけないのに、足踏みどころか後退した。合宿のときには、グリーンが重くてまっすぐ強めにヒットすればカップに入ってくれた。本番では、グリーンが速くなっていて、どうしてもタッチが弱くなる。すると、微妙に切れたり、逆に切れずに抜けて行ってしまったり…。事前にインプットされた情報に振り回されている感じでした」(小西)
同じく1オーバーパーに終わった小木曽は4番パー3でバーディを先行させた。「今日は、伸ばせるだけ伸ばしていこうと、積極的にピンを狙い、パッティングも強めにヒットしていくつもりでいました。4番のバーディで“よしっ”という気持ちになったのですが、続く5番ホールで思ったよりも飛んでしまってグリーンオーバーさせてボギー。さらに強めのヒットでカップをかすめたパッティングがカップに蹴られて大きくオーバーしていったりで、ちょっと怖くなって…自分でペースを乱してしまいました」
第1ラウンド(1アンダーパー)、第2ラウンド(2アンダーパー)と手堅いスコアメイクだった小木曽。「今日もアンダーパー」という思惑は霧散した。
先陣から殿に回った小浦は、3番ホールで大きくつまずいた。ドライバーを手にしてのショットは、大きく左に引っ掛けてOBラインを越えていった。ダブルボギーでとどめようと狙ったパットもはずれてトリプルボギーとなった。
そこからは、グリーン上で首を捻りっぱなしだった。「まっすぐだと思えば、カップ際で微妙に切れる。切れると思ったラインはまっすぐにいってしまう。こういう状態は、昨年からありました。ですから、グリップを替えてみたり、パターを交換したり、打ち方を変えてみたり、と本当にいろいろ試してきました。ショット練習よりも、パッティング練習に時間を割いてきた。おかげでストロークはスムーズになり、ボールの転がりもよくなったのですが、ラインを読み切れない。途中で、できるものなら自分の眼球を取り換えたくなったぐらいです(苦笑)。この1年、何をやってきたのだろう…と自分が情けなくなりました」
トップのアメリカチームから遅れること25ストローク。背中も見えなくなって堀田キャプテンも「せめて最終ラウンドは2桁アンダーパー目指して攻めのゴルフを展開するよう徹底したい」と語るのが精一杯だった。失うものは、何もない。最終ラウンドこそ耐えるゴルフではなく、伸ばすゴルフを期待したい。
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