本年の最終予選から全米オープンゴルフ選手権本選に出場できるのは6名。上位4名は早々に決定したが、最後の2枠を巡るプレーオフは、日没直前まで続く熱戦となった。通算6アンダーパーで5位タイに並んだのは、山下和宏、矢野東、D.オー、谷原秀人の4名。プレーオフは、全選手ホールアウト後、すぐに1番ホールから始まった。その2ホール目。まずD.オーがバーディを奪って出場権を獲得し、山下のボギー以上が確定して脱落。残り1枠は、矢野と谷原の戦いとなった。3ホール目は両者ボギー。続く4ホール目はバーディを奪い合う一歩も引かない両者の争いは、6ホール目にもつれ込む。3番ホール(パー3)2人とって、この日4度目のこのホールで、矢野が4メートルのバーディパットを沈めて長い戦いに終止符を打った。
D.オーは、第1ラウンド4アンダーパーの3位タイ。第2ラウンドもスタートから4連続バーディを決めて「良い流れができていたので、これで全米オープンに行けるかな?」と思ったら、連続ボギーで失速。「がっかりした」と自責の念にかられたが、オーに幸運だったのは、プレーオフまで時間があったこと。「ロッカールームで、もう一度気持ちを切り替えて、盛り上げるようにした」オーは、2ホール目に216ヤードの2打目を4番アイアンで3メートルにつけて、プレーオフ4人の中で最初の通過者となった。全米オープンは、2005年のパインハーストで出場したことがあるが、「予選落ちだったので、リベンジしたい」意気込む。耐えるゴルフが強いられる全米オープンで、どれだけ気持ちを切り替えられることが出来るか。オーの全米オープンでの活躍は、それにかかっている。
一方の矢野は、第1ラウンドで2アンダーパーの9位タイにつける。その内容は、6バーディ・2ボギー・1ダブルボギーと決して満足いくものではなかった。しかし、「最初のラウンドはOBを打って6でホールアウト出来たり」と、ラッキーもあったようで、気持ちは沈んでいなかった。それを証拠に、後半のラウンドも6つのバーディを積み重ねて、通算6アンダーパーまでスコアを伸ばして見せた。谷原とのプレーオフは、「疲れた。粘りというより、ただゴルフをするだけだった」と謙遜するが、42ホールを戦い抜いたプレーは特筆するものがある。全米オープンは、これで3度目の出場で、2009年に27位タイの成績を残しているが、「まだ全然」と、いまはプレーオフを勝ち抜いた心地よい疲れをいやすのが先のようだ。
|