小野ゴルフ倶楽部で第1ラウンドをプレーした勝俣陵は、「さすがにスタート前は緊張しました」と苦笑いを浮かべる。それでもすぐに、「でも、初出場だからと言って他の選手には負けたくないので、自然と気合いは入りました」ときりっとした表情を見せた。自分の持ち味でもあるアイアンショットの切れは、その気合いが乗り移ったのか、益々冴えを見せ、この日16ホールでパーオンする安定感を見せた。スタートの1番で幸先よくバーディを奪うと、3番(パー4)は、練習ラウンドから不得意としているホール。「昨日までずっと林に打ち込んでいた」というティーショットがフェアウェイを捉えると、逆に「今までセカンドショットを打ったことが無い地点に行って…ここは守りに入ろうと」慎重さが裏目に出たのか、絶好のポジションからの2打目は体が早く開いてハーフシャンク。何とか3オンをしたものの、小野ゴルフ倶楽部が誇る難グリーンに3パットのミスが重なりダブルボギーを叩いてしまう。
しかし、ここで萎縮しないのが、勝俣の良いところ。5番(パー3)では12メートルという距離の上りフックラインをねじ込んでスコアを戻すと、その後も安定感抜群のショットでチャンスが続く。これを入れきれずに悶々としたプレーとなったが、13番で6メートルのバーディパットを決めてアンダーパーグループに順位を上げると、17番(パー3)で5番アイアンのティーショットを2.5メートルに、最終18番は再び7メートルのロングパットを決めて連続バーディでフィニッシュ。5バーディ・1ダブルボギーの69は、首位タイと好スタートを切った。
「途中、パッティングのタッチが合わなくて苦しみましたが、最後になってキャディの読みと自分のタッチがぴったりと合って」と首位タイスタートを決めた最終盤の連続バーディに相好を崩す。明日プレーする廣野ゴルフ倶楽部よりも、小野ゴルフ倶楽部は相性も良いと感じていて、「今日のショットの調子だったら、もう少しスコアを伸ばせたかも…」と、好スコアにも100点満点とはいかなかったが、十分な貯金は、初出場でマッチプレー進出に大きく前進するものだ。幼さも残る風貌の勝俣だが、負けん気の強さは折り紙つき。このままの勢いで、第100回大会の台風の目となることが出来るか。明日、勝負の第2ラウンドでも持ち前のショットで好スコアを狙う。
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