若手が台頭する中、塩月純生は35歳のベテランということになる。「じゃあ僕は、おじさん、ですね(笑)」と言うように、平均年齢20歳のマッチプレー進出者64人の中で孤軍奮闘している。一昨年の東京ゴルフ倶楽部での大会でベスト32。つまり1回戦で敗れた。その轍を踏まないように「体力負けをしていたのでトレーニングをするようになってマッチプレーに戦える体力をつけてきました」と語った。「最初は76キロあって走れなかったんですよ。ポヨンポヨンで。まずダイエットから始めました。食事に気をつけて、それで70キロまで落としてからトレーニングをしたり、走りこみました。もちろん仕事の合間ですよ。え?いまは68キロ」とい
う甲斐があってか富本虎希を2upとして勝ち進んだ。
敗れた富本は17歳。「若い子はプレーが遅いというイメージがありましたけど、富本君はプレーが速いし、それに礼儀正しかったですよ。ですから、とても回りやすかった」と塩月が言った。その富本は「本来、僕の持ち味というか、武器は、曲がらないドライバーなんです。ところが今日は、そのドライバーが曲がってしまいました。キャディをしてくれた父親(広宣さん)にも焦ってるぞ、と言われたんですけど、修正できませんでした」という。チャンスがなかったわけではない。10番を終えて3downとした富本が、12、15、16番と奪い返してオールスクウェアとした。ところが、17番、共にグリーンを外した状況で先に、塩月がナイスパーを決めて、富本が外して1down。続く18番も獲られて2downで敗退した。
「最後の18番、塩月さんの第2打が、ピンに1メートルとつけて、僕が奥のカラー……。マッチプレーは初めてですので、悔しいです」と素直に語った。
勝ち進んだ塩月は「2013年のときは、マッチプレー進出ができたことで満足していましたけど、今年は、ちゃんと明日の分まで服の着替えを持参してきましたよ」と気合を入れて臨んだ大会である。明日以降に期待したい。
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