松原大輔は、1回戦で岡崎錬と対戦すると知って、ゲーム展開の予想がすぐに浮かんできた。勝てる・勝てないではなく、どういう流れになるだろうなというイメージできたという。しかも、予選2日間、同じ組み合わせで戦っているから尚更だ。
「獲って、獲られて。絶対に気が抜けないと思いました。(岡崎)錬のことはよく知っているし、案の定そんな展開になりました。彼は、ショートゲームでしのいでくる選手ですから」と松原は言った。最初に動いたのが松原だった。2番で1up。すると4番で岡崎がとりかえす。すかさず5番で、松原。さらに8、9番で岡崎。すると10番で松原が奪い、オールスクエア。13番まで、こう着が続く。そして1
4番で松原が1upしたまま17番を迎えた。勝てば2and1で決着する。
「14番で僕がバーディを獲って1upし次の15番もバーディチャンスだったんですけど、それを外して、結局17番で僕がラフに入れてピンチだったんです。でも、そこからOKの距離に寄せて、彼は逆に15メートルぐらいの距離から3パット。そこで終わりました」。
松原は、妹が松原由美で兄妹でナショナルチームで入りしている選手だ。実力がある。でもマッチプレーは油断できないことをよく知っている。「ストロークプレーとはぜんぜん違うと思います。感覚が違うんですね。ストロークはスコアの積み重ねだけど、マッチは、そのホールで相手よりも1つ良ければいい。だからリセットできます。今日は、リセットがうまくできました。そのために自分のプレーに集中できましたしね」。
実は、岡崎は、内心不安を抱えていた。「確かに、接戦でどう転がるか解りませんでしたが、自分の調子が悪すぎたので……。いま、成長期で体格も変わりつつある状態で、そういう肉体とスウィングをどうフィットしていいのか悩んで、フィットしきれない感じでした。それでティーショットも左右に曲がることが多くて苦しみました」と、打ち明けた。 福井工業大学附属福井高校の2年生。先輩には、川村昌弘、小木曽喬らがいる。岡崎は、昨年の日本オープンで手嶋多一の持つ15歳355日(1984年嵐山)という最年少第3ラウンド進出を更新して(15歳330日)話題になった選手だ。「今年は、日本ジュニアを絶対に獲りたいので、しっかり調整してやり直します」と言ってコースを去った。
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