長谷川祥平が、興味深いことを言っていた。「マッチプレーのときは、難しいコースのほうがいいですね。なぜなら、セッティングやコースそのものが易しいと、ミスがミスでなくなるから、逆にマッチは難しくなると思うのです」だから廣野ゴルフ倶楽部は、最高に戦いやすいというわけである。1ホールずつで勝敗を決めるマッチプレー。仮に、相手を大きくリードしていても、ほんの少しのミスで勝負の流れがどちらに傾くかはわからない。廣野ゴルフ倶楽部という最高の舞台だからこそ、今の自分の調子を最大限に発揮することに注力することに集中できるのだ。
長谷川は、前半の2番、4番を奪い、5番で奪われたがすかさず6番で奪い返して
2up。そこから一気に攻勢をかけた。6、7、9番も奪い取り、9ホールを終えて4upだ。10から13番を分け、残り5ホールとなる14番を奪って、5and4で勝ち抜いた。
「勝因は、前半で4upできたことだと思います。そこから自分は無理しない。つまり無駄な冒険はせずに基本に忠実なプレーをしていきました。無理せずに、流れを持って行かれないようなゴルフをしようと…」と長谷川は言った。1年前のこの大会は、ベスト8。長谷川は、それ以上の成績を目標に1年間やってきた。「関西のリーグ戦は、マッチプレーなんですよ。そこでいろいろ試してやってこれたことが経験になっていると思います。今日は、自分のショットも良くて、ボギーなしの6バーディ。相手は本調子ではなかったのか、しぶとくパーを獲るという場面が目立ちましたから、自分のゴルフをやり通そうと思いました」と言ったあと「でも…」と続けた。「まだ1回戦が終わったばかりですから、まだまだです。気持ちを緩めないでいきます」と目を輝かせた。
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