「悔しい!」と開口一番に発した松原大輔。その悔しさは、敗けたことはもちろんだが、自分の持ち味を出せずじまいに終わった後悔だった。Young-Woong Kimとの2回戦。松原は、2番で1down。3、4番と松原が奪って1up。すかざすKimがとりかえすオールスクウェア。8、10番とKimが獲って2down。ゲームが拮抗していた。でも、松原は、どこかうまく行けてない自分に焦りを感じていた。「相手のゴルフは、粘り強く、隙を見せない。僕がパーでは勝てない」という気持ちが、微妙に松原のテンポを狂わせた。特に「13番で2downとされたあと、ずっと獲れませんでした。ショットでは、相手を刺せる場面は作れま
したが、パッティングでは、それができませんでした。相手がグリーンを外してピンチなときでも、うまくパーを獲ってきましたから……。そういうときに、ひとつでも、僕が決めていれば……」とチャンスを決めきれないマッチに悔しさを露わにした。松原は、14から17番までの4ホールを分け、2and1で敗退したけれど、この4ホールに松原の悔しさが恐縮していた。
片岡尚之は長谷川祥平の前に8and6と大敗した。「ダメでした。ショットもパットもすべて」と自分のゴルフの調子が良くなかった上に、長谷川が12ホールで9アンダーパーと言うスーパープレーを見せ、なすすべがなかった。片岡は昨年、日本アマに初出場でベスト8まで進み、日本ジュニア男子15~17歳の部で優勝し、ナショナルチーム入りを果たしている。今年は「去年のベスト8を越したかった」にもかかわらず、ベスト32で姿を消した。「いいゴルフをしても勝てるような感じではなかったけど、もう少しいいゴルフがしたかった。今日はまだ実力不足。また来年にむけて調整していきたい」と早くも来年を見据えていた。
現在、片岡は札幌光星高校3年生。まだまだ将来の可能性は、限りなく広がっている。これからも精進を怠らず、輝ける未来の日本の星になってほしい。
2年前のランナーアップ、杉山知靖が2回戦で大岩龍一に6and5で敗れた。相手に「前半で4バーディを獲られて」焦りを生んだのか、後半は「無理をして」結果的に大差で負けてしまった。相手のプレーが「いいことを気にしすぎてしまった」と、自分のプレーに徹することができなかったことが敗因のようだ。2年前に決勝で大堀裕次郎に負けてから、再度優勝を目指して、トレーニングを積み、体力アップを図ってきた。ここまでにはトレーナーなど大勢の人に助けられてきた。「ゴルフをここまで続けてこられたのは、サポートをしてきてくれた人たちのおかげです。自分の力だけで出場できたわけではない。皆さんに感謝していますし、僕は幸せです」と感謝の念を忘れない。その人たちのためにも次の試合に「つなげていきたい」とこの経験と悔しさを忘れない。
|