早くも夏を感じさせる強い日差しの中で行われた準々決勝の4マッチは、その暑さに合わせるように熱戦の連続となった。
マッチ57で中島に3and2で敗れた大西魁斗は、「調子は良かった」と悔しがる。その言葉通り、スタートの1番でバーディを奪い先行すると、2番は中島のボギーで幸先よく2upのリードを奪う。しかし、ここから「中島君は、メンタルが安定していた。強いです」と言う通り、ピンチにも動じない中島に、大西の調子に少しずつ変化が見られ始める。5番で1upと差を縮められた大西は9番も獲られオールスクウェア。10番では、ラフから70ヤードの2打目をショートして、中島にリードを許してしまった。
こ
こから、大西の判断に迷いが生じる。12番ではティーショットを右に曲げて、林付近からの2打目を4番アイアンでスライスショットでグリーンを狙う戦略が裏目に出て中島に取られると、決着ホールとなった16番では、「ティーショットをドライバーで打つか、3番ウッドで打つか悩みました。最後も自分の攻めのプレーを選択せず、3番ウッドでティーショットを打ったのが悔やまれます」とため息をつく。16番は獲らなければ決着がついてしまう最後の勝負所だっただけに、攻める場面と守る場面を冷静にジャッジできなかったことが悔やまれる。
それでも、悔しさとともに、自信も深めた。「ここまで来られたので、もう少し上に行きたかったのが本当のところです」という言葉に続いたのは、「でも、満足もしています。この日本アマで自分のアイアンショットの精度は通用することも実感できましたし、来年のシードも獲れましたから」という充実感。「途中で集中力が切れてしまった場面があります。体力不足も感じました。普段の練習でも体力トレーニングはしているのですが、来年に向けてもっと身体と心を鍛えます」と、既に来年に向けてのスタートを切る強い気持ちを語ってくれた。
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