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【柏原明日架がみせた成長の証】 |
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第3日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe |
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戦いの中で、ミスしたあと、どう自分を対処するか、という藤田寛之の心得は「反省はするけれど後悔はしない」だった。「だってやり直しできないでしょう。いくら後悔しても、もう戻って打ちなおしできない。ならば、気持ちの中で引きずるよりも忘れることがいちばんです。もちろん、夜になれば反省しますけどね」と語っていた。
アマチュア時代の柏原明日架にも、心得があった。それは父親から教わったことだ。「後ろを振り返るな」と言われた。それを柏原は、自分なりにどうしたら振り返らないようにできるか編み出した。「そうだ。鼻歌でも唄って、気分転換しよう」だった。それが、ときには多少声になって聴こえていたかもしれない。
スタートの1番(パー5)。今日はフォロー風も手伝って3人がイーグル。ボギーはわずか4人。パーも61人中27人しかいない。つまりバーディが獲りやすいホールだった。平均スコアが、4.525。とりわけ上位選手は、ほとんどバーディ、イーグルで埋まっていた。柏原は、そのスタートでパー。ボギーを叩いた心境だったに違いない。そんな彼女の気分を変えたのは、鼻歌ではなく3番のバーディだった。出場61名で、ただ一人のバーディ奪取だった。「あれはボーナスですね(笑い)」と言った。そのはず。1番とは逆に、今日の407ヤード、パー4の3番は、平均スコアが4.639と最も難しいホールだった。
前半を2バーディ・1ボギーで通算4アンダーパーで折り返し、後半11番でバーディを奪って通算5アンダーパーと、この時点で首位にたった。しかし、続く12、13番で連続ボギーと苦しい時間帯になった。通算3アンダーパー。16番でバーディが来たものの、最終18番でボギーと、この日はイーブンパーの通算3アンダーパー、首位の菊池絵理香と1打差の2位で最終ラウンドを迎えることになった。
12番から苦しい時間帯で、彼女は、鼻歌を唄ったのだろうか? 「いえ、歌いませんでした。そうしなくても、いまは自然に振り返らなくなれるようになりましたから」と答えた。これが彼女の成長の証、その1だった。昨年夏、プロテストに合格し、後半戦で数試合出場。今季は、ステップアップツアーに出場してレギュラーツアーを目指している実質的なルーキーイヤーである。「安定したゴルフ(成績)を目指したいと思っていましたけど、試合数も少なく、その中で勝たなければいけないので、勝つためのゴルフを考えてやってきました」と、いいゴルフだけでなく、強いゴルフを養った。もちろん、スウィングにしてもアマチュア時代よりも贅肉がとれて俄然、精度を増してきている。
成長の証、その2は、実はこの試合から取り入れたものだ。「スタート前の朝の練習です」と言った。漫然とウオーミングアップのための練習、練習の練習ではなく、今日のコンディション、天候、コースなどに合わせてメニューや番手の手順など、細かく考えた練習方法を取り入れたのだ。「今日の試合での1球を練習する感じですね」と言った。今日の朝錬を見えると、サンドウェッジで、70ヤードほどの距離を、ほんとにずっと地を這うような低い球の打ち出しでススッと止まる打ち方を繰り返していた。これはアゲインスト用の原型でもあり、インパクトを緩めないで、右手の角度を変えない、左手グリップを緩めないで打ち出す練習でもある。そういうルーティンでウェッジから順番にドライバーまでという流れ作業的な練習を回避した。
「明日(最終日ラウンド)は、もっとホールロケーションも厳しいところに切られると思います。そうなると視野がどんどん狭くなっちゃうんですよね。あそこに落とさないと、こうしないとって、ですから、むしろ逆に全体的に広く見るようにしたいと思います」俯瞰して、全体を見回して、そして絞り込んでいくフォーカスゴルフである。「最後は、最終ホールまで気を抜かない人が勝つでしょう。もちろんやりきる自信は、あります」と言い切った。
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