終盤大混戦となった本選手権で2打差の2位タイに入った中村尊史(徳山国際)と谷本伊知郎(高松グランド)は、共にスコアを伸ばし、大会を大いに盛り上げた。
最終組、追う立場で第3ラウンドを迎えた中村は、「自分のベストを出して、アンダーパーを目標にプレーする」と決めスタートした。地元山口県出身の中村にとって開催コースの宇部72カントリークラブ万年池東コースは、競技で何度もプレーをしている馴染みのあるコースで、過去には67ストロークの5アンダーパーのコースレコードを出したこともある。
前半から持ち味のキレのあるショットで3つのバーディを奪取。アンダーパーグループに入ると11番、12番の連続バーディで首位を捉える。優勝争いの緊張感からか、上がり2ホールを連続ボギーとし、優勝こそ逃したが、「ベストを尽くした結果です」と悔いのない表情だった。目標である本選手権5位以内をクリアした中村。「今回は地元で良く知っているコースでの結果。もっとゴルフのスキルアップが必要です」と来年の活躍を誓った。
一方、この日ベストスコアの69をマークしたのは、谷本。10月に開催された国民体育大会以来の競技に、試合勘を取り戻すに苦労したが、5バーディ・2ボギーのプレーに「全てのパー5ホールでバーディを獲れたのが大きかった」と話す。ティフトン芝の混ざったラフへの対応も、「ティーショットがラフに行ったら無理にグリーンに乗せようと考えずに次のアプローチを寄せやすい所に打ちました」と百戦錬磨の谷本ならではのコースマネージメントもうまく噛みあった。
次戦は来週のツアートーナメント「カシオワールドオープン」の出場を予定している。谷本の挑戦はまだまだ続く。
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