首位と1打差の2位タイが決まった第2ラウンドを終えて、久常涼(津山東中学3年)は、「明日は攻めのプレーをする」と頂点のみを見据えてプレーすることを宣言した。
その言葉通り、久常は前半から積極的にバーディを狙った。2番では下り傾斜の5メートルのスライスラインを決めて首位の竹内を捉えると、続く3番では上り傾斜の4メートルのスライスラインを読み切って連続バーディ。このホールをボギーとした竹内を一気に逆転して首位に立った。
それでも久常は攻めの姿勢を崩さない。5番では100ヤードの2打目をウェッジをピンに直接あてて1メートル。6番(パー5)も計算通りに攻めて連続バーディ。その後は12番まで
パーを積み重ねると、13番で130ヤードのセカンドショットをピッチングウェッジで1メートル。17番では9メートルの上りのスライスラインを決めて見せる。
「今日は、本当にショットが絶好調でした。パーオンを逃したのは最終ホールだけ」と自画自賛の内容だった。しかし、唯一パーオンを逃した18番でボギーを叩いたのには、「まだ課題は残ってますね」と反省しきり。それでも、最終ラウンドでベストスコアの66を叩き出しての初優勝には自然と顔もほころぶ。
「昨年も全国中学生ゴルフ選手権でプレーオフで負けて…そこから苦しかったけれど、この優勝が自信になりました。これからも、もっと勝ちたい」と笑顔の久常。
「地元の岡山県は、強いジュニアの選手がたくさんいて、お互いが切磋琢磨してきました。三田真弘さんや金谷拓実先輩も中国地区ですし、自分も先輩たちの後を追い、同年代を引っ張って、岡山県のジュニアを盛り上げたい」と、早くも全国タイトルホルダーの自覚も見せた久常。
290ヤードのドライバーショットを武器に豪快なプレーで全国タイトルを手にした新星の出現は、岡山県だけでなく全国のジュニアにも大きな刺激になったことだろう。
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