岩渕隆作(中部学院大学3年)は、「しっかり振り切ることを一つ一つ重ねる」とスコアや順位ではなく、自分のスイングのことに集中することを心掛けた。すると、4番(パー4)で残り180ヤードの第2打を6番アイアンで打ったところ、これがカップインしてイーグルとなった。実はこの日は第1組のスタートだったので、前にプレーしている組はいなかったが競技委員がいて「カップの中に入っている」と教えてもらった。思いもしない「ラッキーだった」。これで勢いがつき、次の6番ホールでは3メートルのバーディパットを決めた。9番(パー5)で70ヤードの第3打をミスしてバンカーに入れてしまい、彼にとって唯一のボギーを叩いたが、後半に入っても勢いは止まらなかった。
14,15,17番といずれもウェッジでのショットをピンにピタリとつけてバーディを奪い、この時点で5アンダーパーまでスコアを伸ばした。この日は最初に書いたようにスコアを気にせずプレーしていたが、最終18番ホールだけは違った。四日市カンツリー倶楽部のコースレコードは「67」。昨年の中部アマチュアゴルフ選手権で彼の大学の同級生の大内智文がマークしたものなので、岩渕も知っていたのだ。「抜いてやろうと狙っていた」と攻めた。110ヤードの第2打を52度のウェッジで打ち、これまた30センチにつけて、バーディを決めた。1イーグル・5バーディ・1ボギーの6アンダーパー66をマークして、コースレコードを更新した。大内とは普段も一緒に練習をし、仲のいい友達だ。その仲間のコースレコードを塗り替えて「してやったり」と喜んだ。
これで2位に1打差をつけての首位発進。まだ残り3日間あるので油断はできないが「貯金ができてよかった。トップを狙っていきたい」と優勝に向けて手ごたえを感じている。日本学生には3年連続して出場しているが、2015年はカット、2016年は26位タイと優勝争いの経験はない。まずは第2ラウンドのプレーが彼にとってカギとなりそうだ。
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