蛭田玲於(東北福祉大学4年)と勝俣陵(日本大学4年)は、ともに通算8アンダーパーで首位と3打差の3位タイに清水大成と並んでいる。2人はともに大学4年生なので、これが最後の日本学生となる。それだけに優勝への思いも強い。
蛭田は前日のコースレコードの66を破る「65」をマークした。1イーグル・5バーディ・ノーボギーの内容だった。「ショットの調子はひどかった」というように、スタートの1番ホールではティーショットを大きく右に曲げ、OBの危険性もあったため暫定球を打つシーンもあったほどだ。ドライバー、3番ウッドが曲がり、「苦しかった」という。
しかし「100ヤード以内のショットはピンに2.5
メートル以内につき、そのバーディパットもしっかり決められ」、またグリーンを外しても「グリーン周りから取りこぼしがなく」好スコアにつなげられた。自己ベストは「64」だが、それも「高校3年生のときなので」本当に大学に入ってからは久しぶりにいいスコアで回ることができた。この調子ならば首位をとらえることも可能だ。「できることをしっかりやって、精いっぱい頑張りたい。追いつく感じで行きたい」と優勝を狙っている。
2歳年下の妹、みな美さんはすでに高校卒業後にプロ転向して、2年目のシーズンを送っている。彼もそれを追うようにプロゴルファーを目指して、今年のクォリファイングトーナメント(QT)を受けており、すでにファーストQTを通過した。「ファイナルQTまで行って、来年のツアーに出てシードを獲ること」を目指す。そして目標とする選手は、というよりあこがれに近いかもしれないが、大学の先輩の松山英樹だ。その松山は本選手権を連覇している。蛭田も最後のチャンスにかけたい。
一方の勝俣は、5バーディ・1ボギーの4アンダーパー68で回り、通算8アンダーパーとした。ショットの調子が良く、ほとんどのホールでパーオンし、1番で4メートルに2オンし、イーグルチャンスから3パットしてボギーにしたのが唯一のミスだったろうか。グリーンをとらえることはできたが、チャンスでパットを打ちきれずショートしてフイにしていた点は反省点だ。それでも優勝を狙える位置につけ、蛭田同様に大学最後の年に花を添えたいところだ。
4年生の優勝への執念が試合を左右する。
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