日本女子オープン初出場のアマチュア選手、小倉彩愛は、初出場でホールインワンを達成し、通算7アンダーパーで暫定3位タイで第2ラウンドを終えた。彩愛と書いて「サエ」と読む。なんでも画数から漢字を選んで決めた名前らしい。2番でボギーを叩いたあと、3番で1.5メートルを入れてのバーディ。そして注目の4番(157ヤード、パー3)にやってきた。
「(ハウス)キャディさんと話していて、ホールロケーションは当然(前後左右に)振ってくるわけで、そのピンサイドにデッドに狙うと危険率が高く、そうしないマネジメントを考えてプレーしていたんですけど、この4番ホールは、今日は、真ん中に切ってあったんです。だから、ピ
ンを狙うと話していたんですね。しかも、奥から下り傾斜だったので、奥に突っ込んでも多少戻ってくれてピン近くにいけるだろうという計算で打ちました。はい。ピンまで159ヤード。ユーティリティの5番で打ちました。あたりが良くて(フィニッシュして)すぐにティーペグを拾いにいったので、最初は、どう戻ってくるのかわからなかったんですけど、ギャラリーの人たちが、入れ!入れ!と叫んでいたのは聞こえて、あ、近いんだなぐらいしか思っていませんでした」と、小倉は振り返る。
ボールがカップに入ったときの歓声が、ティーインググラウンドまで聞こえてきて、入ったんだなと実感したという。実は、彼女はホールインワンの経験が、過去に2回ある。小学校5年と6年のときだった。でも、それ以降一度もなく「やっと、やっと、また入ってくれた」と喜んだ。小倉が、ゴルフを始めたのは、4歳のときだった。実は、4つ年上の姉の誕生日に両親からプレゼントとして、子供用のクラブがあって、ほとんど姉が使わないまま3,4年ほど物置の奥に隠れていた。それを彼女に渡したら、ゴルフにハマってしまったというのが、きっかけである。
今年、17歳。2015年日本ジュニア選手権12〜15歳の部で優勝するなど、ジュニア時代から頭角を現している選手である。ホールインワンを達成したあと、その出来事に動じることなく淡々とプレーしていた。「せっかくホールインワンしたんだから、なるべくボギーを叩かないようにしよう」という気持ちだったという。5番から9番までは、パーが続く。ボギーを叩かないゴルフだ。「こんなに大勢のギャラリーの方々がいて、ボランティアの方々もいて、ほんとに有り難いな、と感じながらプレーしていたんですよ。ジュニアの大会は、全部自分がやるわけで、しかもギャラリーもいませんしね。声援って嬉しいものですね」とあどけない笑顔で言った。
後半から、バーディが続く。10、13、15、17番と一気にスコアを伸ばした。「(試合前は)まずは予選通過。そして、通ったらローアマチュアを目指そうと思っていました」という彼女の今日のラウンドの自己評価は「90点」だという。10点の減点は「2番のボギー。特に18番のボギーですね。細かいミスでボギーとなったんですけど、そういうものをなくしていかないと上位には行けないと思っています。耐えたゴルフでしたけど、まだ耐えないと……」としっかりと反省している。第2ラウンドを終えて、暫定ではあるけれど、首位の畑岡奈紗、申ジエとは2打差の3位タイである。
「明日からも、ホールロケーションが、もっと難しく振られると思うので、マネジメントをしっかりとやりたいと思っています」という。90点と自己評価するこの日のラウンドが、明日も続けば、最終ラウンドまで優勝争いの真っ只中にいるだろう。
|