7月のプロテストに合格したばかりの新垣比菜にとって、今回の日本女子オープンはプロとしては初出場になる。最終予選に挑戦してつかんだ出場権であった。
アマチュア最後の試合となった6月の日本女子アマチュアゴルフ選手権でのことだ。第2ラウンドを終えて独走態勢に入ったが、第3ラウンドにちょっと足踏みした後、最終ラウンドには崩れて3位タイに終わった。その最終ラウンドは、ドライバーショットが大荒れで「クラブを振るのが怖くなった」と振り返ったものだった。さらに、その後に控える最終プロテストに向けても「こんなことで合格できるのかどうか、不安いっぱいです」ともらしていた。
幸い、プロテストには合格した
ものの、推薦出場したツアートーナメントでは、本来の伸び伸びしたスウィング、飛距離は、影をひそめていた。そんな流れで出場した日本女子オープンである。第1ラウンドは、サスペンデッドとなった残りホールを消化して1アンダーパーだった。そして引き続きスタートした第2ラウンドは、5バーディ・1ボギーの68。通算5アンダーパーまでスコアを伸ばして算定8位タイでのホールアウトとなった。
ドライバーショットの不安は解消されたのであろうか。
「あの頃(日本女子アマ最終ラウンドの頃)から比べれば、かなり修正できていると思います。何が原因だったのか、見つけることもできました。スウィングのテンポ、リズムです。そこを意識して練習しているうちに、スウィングもショットも安定してきました。曲げたらどうしよう…なんて考えると、振り切れずにホントに曲がってしまう。大きく、伸び伸びと振れるテンポを守り、いいリズムでスウィングすることで、自分のゴルフを取り戻せました。もう、大丈夫。そう思いたいです」
さて、思いたい…という願望から、大丈夫と断言できるようになるためには、何が必要なのだろう。
新垣は、最後にこう締めくくった。「私は、4日間競技で4日とも良いゴルフを続けたことがないんです。どこかで崩れてしまう。今大会は、第2ラウンドまで良いゴルフができています。残り2日間もアンダーパーで回りたい。そうなったら、自分にも“もう大丈夫”っていえると思います」
新垣にはまだ、自分との戦いが続いている。
|