通算9アンダーパーで第3ラウンドを迎えた畑岡奈紗は、スタート前にキャディとの会話で「(4日間)20アンダーパーを目指そう」と言われ、この日「通算15アンダーパー」と目標設定してスタートした。結果的には、第3ラウンドを68で周り、通算13アンダーパーで単独首位となって最終ラウンドを迎えることになった。「自分のゴルフスタイルは、ショットで攻めてバーディを獲っていくタイプだと思うんです。そのショットの調子が良くなってきているので、ここ3日間は、思い切って振り切れていると思います」という。畑岡は、少しスウィングの修正をしてやってきた。トップの位置を高く、なおかつあまり捻転しすぎないように振ることで、ビ
ッグキャリーも生まれ、安定感がでたのだという。
「今日は、前半は、いい流れで来ていたんです。でも、後半が、自分では、後半にチャンスホールが多いと思っているのですが、そのチャンスホールで取りこぼしがあったので、それが悔いが残ります」という。確かに、1番から3連続バーディ、4番でボギーのあとも、8、9番とバーディを奪って32で折り返した。ところが後半に入って、なかなかバーディが獲れずにいた。12番ではボギー。ようやくバーディが獲れたのは17番だった。「(後半で)ミスしたところは、ほんの少しのタイミングの誤差だと思うので、しっかりと修正したいと思います」それが顕著に出たのが、16番(184ヤード、パー3)。今日のホールロケーションは、グリーン手前から8ヤード、左から4ヤード。そのエッジギリギリに切ってあって、さらにその右に大きなバンカーがある。畑岡は、5番アイアンを手にして、ピンに向かって打った。それがほんの僅かに左に逸れてバンカーの奥のフチのラフ。
「(自分が去年よりも成長したのかな、と思うことは)こういう場面で、ナイスパーを拾えるようになったことだと思います。18番にしても、3打目をアプローチで1メートルぐらいに寄せてパーを拾えましたしね。3日間終えて、ボギーを3つに抑えられたことも、そうだと思います」と語った。畑岡は、USLPGAツアーで戦っていて、決して満足のいく成績を残せていなかった。むしろ苦悩の日々を送っていた。「うまくいかない(自分)を、乗り越えつつあると思う。それが(去年よりも)強くなっているのかな」と噛み締めながら言った。
本大会で、54ホールの通算13アンダーパーは、新記録である。「そうなんですか。でも、明日は明日の目標設定をして戦います。1日1日、しっかりと目標設定してやろうと思っています。人のスコアが頭によぎることがあるかもしれませんけど、自分は自分のゴルフを貫き通したいです。2打は、あってないようなものですからね。それで他の人が勝てば、それはそれで仕方のないと思います。自分の目標設定を、クリアしたい、ということだけを考えます」と言った。もし畑岡が優勝すれば、樋口久子(1971年に4連覇、1977年に2連覇)以来の連覇になる。また2週連続優勝と大会連覇を同時達成したのは(1988年ツアー制度施行後)アン・ソンジュ(2012年達成)に次いで史上2人目、日本人選手初の快挙になる。
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