第2ラウンドのプレーがサスペンデッドとなった申ジエ。第3ラウンドは、早朝にコース入りし、6時46分にスタートして残りホールのプレーを消化した。36ホールを終えたところで通算10アンダーパー。
単独トップで第3ラウンドをスタートすることになった。このスコアは、2009年大会で宮里美香がマークした通算9アンダーパーを更新する36ホールの大会レコードだった。全選手が残りホールのプレーを終了したところで、第3ラウンドの組み合わせ、スタート時間が設定された。最終組で畑岡奈紗、キム ヘリムとのラウンドが決まると、申は駐車場に止めてあった車の中で2時間ほど休んだ。それからドライビングレンジ、練習グリー
ンでのチェックを終えて、いざ第3ラウンドへ。
スタート前の練習グリーンではいくつかの距離、いくつかのラインでボールを転がし、タッチを確認しておく。準備万端だったはずだが、1番(パー5)で、いきなりボギーを叩いた。3パットであった。申ほどの選手でも、スタートホールの3パットには穏やかでいられなくなる。練習グリーンでのストロークチェックやタッチが、一瞬、飛んでしまう。感性や、ストロークの微妙な動きに、迷いが生じてしまうのだ。
大きな動きで、強くヒットするショットは、ずっと冴えていた。バーディチャンスも67を並べた第2ラウンドまでと同様、かなりのホールで作り出していた。そのうち、パットを決められたのは3ホールだけで、あとは外し続け、何度も苦笑いを浮かべていた。短いパーパットをミスするシーンもあった。それを修正しきれずに通算11アンダーパーと足踏みしてしまった。
「1番のミスから、自分の中の何かが消えてしまったみたいで、グリーンで集中できなくなってしまった。ショットでチャンスを作っても、なんだか、みんな難しく、微妙なラインに感じてしまって気持ちよくストロークできなかった」。
日本女子オープンへの思いがある。「ナショナルオープンに勝つということは、歴史に名前を残すことになるので、とても名誉なこと。本当に手に入れたいタイトルです」。足踏みしたとはいえ、トップの畑岡とは2打差。「まだ18ホール残っているので、明日(最終ラウンド)が楽しみです。消えてしまった何かも、今日ゆっくり休んで、起きたら戻ってきてくれると思う」
最終ラウンドは、最終組の1組前で逆転初優勝を狙う。
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