石川遼は、1番でバーディと幸先のよいスタートを切った。ところが、8番、(492ヤード・パー4)でOBを放ち、ダブルボギーとしてしまった。その後、ちぐはぐなゴルフで、13番、ボギー。14番、バーディ、そして18番、ボギーとして、この日2オーバーパーで締めくくった。
「ドライバーが前半振れていなかったので、フェアウェイにはいってたけど、自分で弱気な部分があったと思います。1番のテーィショットは、一番振れていたし、8番でOB打ってそこから悪いところが出た感じです。立て直そうと思っていたんですけど、良いショットがバーディに繋がらなかったり、いまの自分の状態がよくわかりました。全体的には、いまひと
つだと思います。特に、8番の球なんかは、全くコントロールできていないので、自分の場合は、ドローしている球であれば、それがフェアウェイの真ん中に出るのか、左に出るのか、右に出るのかの調整なんで、最後の方はまだ悪い感じはしないし、ああいうのが出ているときはアイアンも悪いショットではないので、フェード系のスウィングが良くないかなと思います」と語った。そしてこの日の同組、小平智について「小平さんもすごく良かったので、自分としては、なかなかうまくいかないなと思いました。一つの組で、いい例と悪い例が見れた。まあ、自分が悪い例なんですけどね」と、この日の自分のゴルフのちぐはぐさと、調子の悪さを語った。
それでも、米ツアーで苦難と努力を重ねてきたというショットを見せた。16番(502ヤード・パー4)の3打目である。第2打を右に外してラフ。そこからの素晴らしいアプローチショットだった。グリーン手前には深いバンカー。そして今日のホールロケーションは、そのバンカー側のグリーンエッジから、4ヤード。そこを高いボールで、ピン際にポトンと落とすアプローチを見せてくれた。
「練習でも、ずっとああいうのを練習していましたし、今週、必ず必要なショットだと思っていました。アメリカでプレーしていて、自分はああいうのができるようになりたいな、と思うショットでした」とその片鱗を見せていた。にもかかわらず18ホールのマネージメントとして、スコアに結びつかない。まるで、ジグソーパズルの難しいチップは、うまく噛み合わせられるのに、なかなか全体図としては、未完成というゴルフだった。
第1ラウンド、4383名と大勢のギャラリーが集まった。もちろん小平、石川、そしてアマチュアの比嘉一貴の組にも大勢ついていた。「信じられないです。本当にうれしいですね。アメリカであれば、16番(第3打)のようなロブショットを打っても、2〜3人が拍手してくれるだけなんで……、自分としては、日本でもアメリカでも、石川遼が違うかといえば、そんなことはないんですけど、悪い意味じゃなく、今日は自分がアメリカで上手くいかなかった理由というのが、皆さんに伝わったんじゃないかと思うし、こっから自分がどう立て直ししていくかだと思います」と語った石川遼の、悪い部分ではなく、いい部分を残りラウンドでふんだんに見せてほしい。
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