池田勇太の第1ラウンドのスタートは、午後組の最終組1つ前。12時12分だった。ちょうど17番のティーインググラウンドにやってきたころ、あたりは薄暮となってきた。18番でボギーを叩いて、4アンダーパーから3アンダーパーと後味の悪い締めくくりをした。やや憮然とした表情で囲み取材をした。きっと18番のボギーが原因か。「いや16番までは見えていたけどね。見えないんだもの。でも、それは仕方のないことだと思いますよ」と、どうやら憮然とした表情の原因は、最後のボギーではなさそうだった。
「今日(のラウンド)は、全然話にならない。もっと(バーディが)穫れたと思いますし、もっとフェアウエイ、セカンドをピン
につけられる状況にあったと思うし。自分のゴルフの内容が悪くないのに、イメージとつながらない」ことが原因だった。イーグルチャンスも2回あった。7番と15番のパー5だった。「いや、それはもうしょうがないと思いますけどね、最低限、バーディは獲れているので」という。
池田は、今年海外の試合で戦うチャンスを増やした。合わせて12試合出場している。もちろん全米オープン、全英オープン、全米プロのメジャーも含めての回数だ。率先して海外で戦って得たものは「ひとつは挫折ですよ。いい成績を残せていませんからね。でも、逆に学ぶことも多かったし、来年ももちろん挑戦したいと思っています。メジャーや米ツアーで戦って帰ってくると、日本のコースが易しく感じることも確か」だと言った。話を聞いているうちに、池田は内心、もっと大きなゴルフがしたいのかな、と思った。挫折から転じて、確かな目標が生まれることもある。そういう池田の、いま以上のゴルフへとスケール感を広げていくと「今日のゴルフの内容では、悪くないけど、納得できない」というコメントになるのだろう。
「まあ、でもまだ第1ラウンドですから」と言い残して立ち去った池田は、残り3日間でどんなゴルフを見せてくれるか、そこで真価が問われる。
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