シニアツアーの最多勝記録を持ち、キング・オブ・シニアと称される室田淳が、この日本オープンでも新たな記録を作った。最年長予選通過記録である。これまでの記録は、昨年大会で自身が記録した61歳80日だった。今大会でも2日間通算2オーバーパーの46位タイで予選を突破して62歳79日に更新した。それを知らされた室田は、そっけなかった。「そうなの?でも、予選通過ぐらいじゃね…」。
今大会には最終予選会に挑戦しての出場だった。まだまだ意気盛んである。この大会に備えて2本のドライバーを持ち込んできた。1本は白いヘッドで、ずっと愛用してきたもの。もう一本は赤いヘッドで新しいタイプ。第1ラウンドは新しいタイプで
ラウンドした。ドロー系の強い弾道を打ち出せる。「飛距離は、こちらの方が出るように感じるけど、安定性では、これまで愛用してきたタイプの方が勝っているかな…。だから、今日は、そちらのモデルを使ったら68が出た。クラブも浮気しちゃダメってことだよね。ひどいトラブルもなく、穏やかなゴルフができた。一緒に回ったのが20歳の片岡(尚之)、42歳の宮本(勝昌)で僕が62歳。3世代でのラウンドだったから、妙に楽しかった。それも、こういう結果に繋がったのかもしれないな」。
実は、第1ラウンドに74を叩いたことで、予選落ちを覚悟していた。ホテルもチェックアウトしてしまっていた。「だからね、これからやることが多いの。ホテルの予約とか、食事をどうするかとか。忙しいから、インタビューは、この辺で終わりにしてくれる。2本のドライバーを打ち比べたりして、いつもより練習時間が長くなって困ったし(疲れた?)。あと2日間、棄権しないように頑張ります」。
連続ボギーという厳しいスタートから5バーディを奪っての予選通過は、記録以上に嬉しかったようで、脈絡のない話で締め括った室田は、ホテルの予約作業を始めた。
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