アマチュアの金谷拓実が、この日65の5アンダーパーで周り、通算5アンダーパーで2位タイに浮上した。金谷といえば、2年前の日本オープン(六甲国際GC)でも活躍し、総合11位でローアマチュアのタイトルを獲った選手だ。2015年は、さらに日本アマチュア選手権のタイトルも獲っていて、年間2冠を獲得した17歳のアマチュアとして話題になった。その金谷は、広島国際学院高校から、東北福祉大に入学しゴルフ部に入っている。
1番、ボギーのあと4番でバーディ。7番(544ヤード、パー5)では、イーグル。さらに9番でもバーディを奪い前半を32。そして10、11、12番と4連続バーディを奪って、一時は池田勇太が落
として首位に立った。17番でボギーを叩いたものの、27位タイからの急浮上である。
「いちばんよかったことは、ティーショットをフェアウェイに置くことができたこと。今日は、外したのが1、2回でした。僕の欠点は、どうしてもスウィングするときに力が入ってしまい、全体のリズムが速くなってしまうので、速くならないように意識してやっていました」と言った。
東北福祉大ゴルフ部に入ってから、トレーニングをする時間が増えた。そのために飛距離も20ヤード以上は伸びたという。
「(大学ゴルフ部は)トレーニング施設も充実していますし、寮生活なので時間もありますから、週3、4回はみっちりとやっています。ですからこれでも2年前よりも体重が10キロ弱増えました。いまは67キロです」という金谷の高校生活は、トレーニングする時間を作るのが、なかなか難しかった環境にあった。それは当時、呉の自宅から大学までの往復を、距離もあり母親の運転で通っていたからだ。いまはトレーニングしたい時にはすぐにできるし、トレーナーもいるし、仲間たちもいるという環境の変化も手伝っている。
この日、ドライバーを使ったホールが、3ホールほど。ほとんど3番ウッドだった。250ヤードの飛距離で、安定感があるからだ。「昨日スタート前に、監督から予選通過ギリギリだったので、通過しろよと言われていて、まずはそれができたことが良かったなと。優勝争いですか? 楽しみですね。2年前は、かなり緊張もしたし、もちろん技術的にもまだまだな状態で、たまたま(優勝争いに)入っちゃった感じですし。2年前よりは、ちょっとは上手くなったかな、と思います。この3日間のように、フェアウェイに置き続けて、良い位置からセカンドを打てるように粘り強くやりたいです」と語った。
今年のマスターズが終わったあと帰国した松山英樹や比嘉一貴と一緒にラウンドをした。金谷にとっては、松山とは初ラウンドだった。圧倒されたという。でも、そういう刺激が金谷により一層の向上心を掻き立てたのかも知れない。最終ラウンドは、最終組で池田勇太と一緒のラウンドである。「楽しみです。最終日に、この位置(最終組)で、池田さんとなかなか回れないので……」と、冷静に語っていた。
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