「ガンガン攻めていくしかない」とスタートした最終ラウンドの小平智。攻めのゴルフは裏目に出ていきなり3連続ボギーの立ち上がりになってしまった。だが、それで万事休す、ではなかった。
「3連続ボギーで気持ちが萎えるとか、攻めのゴルフを切り替えるというつもりは、一切ありませんでした。たった3ホールをプレーしただけ。まだまだ取り返し、追い上げるチャンスは十分に残っているし、最後まであきらめずに攻めのゴルフをやり通すことだけを考えていました」。
今大会、最大の誤算は、ドライバーショットが、いつもの小平と違って左右にブレていたことだった。実は、練習日のラウンド中に愛用してきたドライバーのヘッドが割れ
てしまった。急きょスペアのドライバーを使ったが、割れてしまったエースドライバーほど信頼はしていなかった。「ダメというわけじゃないし、普通にラウンドしたり、ドライビングレンジで打っている分には、エースと遜色ないショットになります。でも、ここ一番となると、やっぱり信頼できるエースの方が、不安なく振れる。じゃあ、どこが違うのかと聞かれても、具体的に応えることはできないんですけど、やっぱり信頼度の大きさですね」。
フェアウェイに止まっていると思ったショットがラフに転がり込んだり、打ち出しのラインがわずかにずれて、ターゲットの少し左右に飛び出していく。日本オープン仕様のコースでは、それが大きな差になる。
「ドライバーショットでラフに入れながらも、その後の処理をしっかりやって、後半はスコアを伸ばすことができたし、少しは大会を盛り上げられたとも思う。最終的には、フェアウェイからバーディチャンスを作っていく本来の自分のゴルフができなかったことが敗因になってしまいました」
単独3位で賞金王争いでは宮里優作をかわしてトップに立った。もっとも、これについてのコメントはそっけなかった。「まだ試合が続くから、どうなるかわからない。それよりも、自分の目標は世界ランキング50位以内なので、そこを目指して戦っていきます。その前に、とにかく、エースドライバーを仕立てあげなければなりません。調整します。敗因は、技術の問題ではない、ということだけが救いです」。
まだまだビッグトーナメントが続く。世界ランキング50位以内で世界のメジャーへ挑戦する。小平の戦いもまた続く。
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