2018年度（第83回）日本オープンゴルフ選手権がいよいよ明日、神奈川県横浜市の横浜カントリークラブで開幕する。前日の10日には、指定練習が行われ、500人を超えるギャラリーが最後の調整に勤しむ選手たちに熱い視線を送っていた。
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岐阜関CCでの昨年大会で自身2度目の戴冠を果たした池田勇太は、「1年は早いもので…去年の苦しかった優勝もあったけれど、今年もこの舞台に戻ってこられたことが嬉しいし、また今年日本オープンに挑むという気持ち」と、チャンピオンズブレザー姿で感慨深げに話す。「ゴルフの調子、ショットも含めて、ずっと
いい状態でそれを保てていると思っています。コース改造から日が浅い中で日本オープンを迎える横浜カントリークラブがご苦労されているという状態の中で、自分がどこまでいいパフォーマンスを出せるのかはわからないけれど、ショットでより多くのチャンスを作っていくと。その中でチャンスを掴めていければいい」と泰然自若に連覇を狙う。
昨年大会、あと一歩で第1回大会の赤星六郎以来2人目のアマチュア優勝は逃したものの全体の2位に入賞した金谷拓実。今年は、前週にシンガポールで開催されたアジア・パシフィックアマチュア選手権で松山英樹以来2人目の日本選手優勝を飾り、来年のマスターズと全英オープンの出場権を勝ち取って本選手権に凱旋。否が応でもその一挙手一投足に注目が集まるが、本人は「アジアアマで優勝して、この会場でもたくさんの方にお祝いの言葉を頂いて、嬉しく思います。でも、ここがゴールではないので、また一から頑張りたい」とクールに明日の開幕を迎える。目標は、もちろん優勝。「去年は悔しい思いをしたので、今年はリベンジしたい。自分のベストを尽くしてプレーすれば、結果はついてくると思う」と胸の裡の自信は、この1年間JGAナショナルチームで取り組んできたトレーニングとガレス・ジョーンズナショナルチームヘッドコーチからの指導がもたらしてくれたものだろう。アジア・パシフィックアマチュア選手権の激戦を制した夜に日本に帰国し、そのまま月曜日に練習ラウンドを行って準備を進めてきた金谷。「疲れはないので、一週間突っ走っていきたい」日焼けし凛々しく引き締まった表情で、史上2人目のアマチュア優勝の快挙達成を誓った。
その金谷とアジア・パシフィックアマチュア選手権で優勝争いを演じた末、2位入賞の中島啓太もまた、注目のアマチュア選手だ。年明け早々にオーストラリアンアマチュア選手権を制した中島は、アジア競技大会で5大会20年ぶりの日本選手個人・団体金メダルを獲得。世界アマチュアゴルフチーム選手権ではアクシデントに見舞われ不本意な成績に終わったものの、アジア・パシフィックアマチュア選手権では傷も癒えたことを強く印象づけるプレーを見せてくれた。金谷とともにアジア、ヨーロッパと転戦が続いた後の本選手権だが、「昨日は少し疲れていたけれど、しっかりサポートをしていただいたので、今日は良い感じでプレーできました。スウィングは、あまり良くない面もあるけれど、しっかり準備できたと思います」と、充実した笑顔を見せる。第1、第2ラウンドは、アダム・スコットとの同組が発表され「すごくびっくりしました。今日は寝られるか、わからないですね」とこのときだけは、初々しい10代の顔をのぞかせた。
その中島と今季ツアー初優勝を果たした星野陸也と第1・第2ラウンドをプレーするのは、2年ぶり4度目の本選手権出場となるアダム・スコット。練習日も多くのギャラリーを引き連れ、笑顔を絶やさないジェントルマンは、「調子は上向きだと思うので、今週チャンスがあれば、ぜひ勝ちたいと思う」と、堂々の優勝宣言。本年会場の横浜カントリークラブには「ビル・クーアとベン・クレンショーという素晴らしい設計者によって行われたコース改修がされたと聞いています。このコースは自分にとって今までよりも馴染みやすいコースだと思っています」と好印象を持ったよう。「今週、キーになるのはアイアンショット。グリーン以外にも傾斜があるコースなので、グリーンに乗せないと転がってしまう可能性がある。今週はグリーンに乗せられる選手がいいスコアを出してくるでしょう。優勝スコアは、最低でも通算10アンダーパーは必要だと思う」とバーディ合戦を予想。もちろん、自分自身も「PGAチャンピオンシップやノーザントラストでいい結果を出せたことで、自信に繋がっていると思うし、コーチと色々取り組んでさらに調子も上向きだと感じています」と、その中心にいることを疑ってはいないものの、「今週は、過剰な自信は持たずに、今の良い状態でプレーしたいと思います」と、自らを律して初優勝を静かに狙う。
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