2018年度(第83回)日本オープンゴルフ選手権競技
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世界のメジャー舞台に踏み出した選手たちは日本のメジャーをどう戦うのか
  今シーズンの日本ツアーを象徴する出来事が二つある。ひとつは、若い大型プレーヤーたちが相次いでツアー初優勝を遂げたこと。そして、もうひとつが世界のメジャー大会やWGCトーナメントに出場する選手が増えたことだ。彼らは、優勝経験、メジャー舞台経験を日本のナショナルオープンにどうフィードバックさせるのか。今大会にはマスターズチャンピオンであるアダム・スコットも出場する。ぜひとも目に焼き付けたいのは、世界レベルの戦いである。
 
  最年少と最年長で3勝目を狙う池田勇太と谷口徹  昨年の日本オープンゴルフ選手権で2度目の戴冠を果たした池田勇太。過去、本選手権で3勝以上をあげているのは、6回の最多優勝記録を持つ宮本留吉、5度優勝の尾崎将司、4勝の中嶋常幸、3回の小野光一と中村寅吉のわずか5人しかいない。日本ゴルフ界のレジェンドの名前が連なるこの偉大な記録に挑戦するのは、ディフェンディングチャンピオンの池田勇太と2004年と2007年大会を制した谷口徹の2人だ。
2017年、池田は春先から積極的にUSツアーに挑戦。成績は振るわなかったが、そこでの経験を活かし、夏から復帰した日本ツアーでは無類の強さをみせた。KBCオーガスタで2017年シーズン初勝利を飾るとANAオープンで2勝目。そして迎えた日本オープンでアマチュアの金谷拓実を振り切ってシーズン3勝で賞金ランキング4位と存在感を示した。2018年シーズンも出足は決して良くないものの、徐々に調子を上げて敬愛する尾崎将司に一歩でも近づこうと日本オープン3勝目を狙っている。それが成されれば、32歳での3勝達成は最年少記録となる。

 もうひとり、レジェンドに近づこうとしているのが谷口徹だ。2012年のブリヂストンオープン以来勝ち星から見放されていたが、今年の日本プロゴルフ選手権では、藤本佳則をプレーオフの末に下して通算20勝目をあげたのも記憶にあたらしいところ。通算勝利数のうち、日本プロで3勝、日本オープンで2勝と5勝を数える大舞台への強さも持っている。今年50歳を迎え、シニア入りとなる谷口だが、類まれなショートゲームの巧みさは更に磨きがかかっている。今年の日本オープンでは史上6人目の大会3勝とともに1963年大会で戸田藤一郎が樹立した48歳の最年長優勝記録更新と最年長での3勝目に期待が高まる谷口。18番ホールで雄々しいガッツポーズを見せることができるだろうか。
 
賞金王争いを演じている今平周吾、時松隆光が経験した世界のメジャー大会 今平周吾

 今平は全米プロゴルフ選手権に出場した。結果はカットラインに1打届かずの予選落ちだった。落胆はしていなかった。「確かに予選でカットされてしまいましたが、3年連続メジャーに出て、だんだん良くなって来て、少しずつ手応えを感じました。4大メジャーの中では全米プロが自分に合っているかな…と思います。フェアウェイが狭く、ラフは深い。ホールロケーションが難しい。その中で、予選を突破するには、ドライバーの飛距離をもう少し伸ばしたいのと、アイアンの正確性、ショートゲーム…少しずつでいいから全体的に上げていければ最初の壁は突破できるのではないかな」
メジャーで4日間を戦うために必要なことは、自力の底上げだと気づかされたことが、全米プロの収穫だったというのだ。日本ツアーで1勝はしているが、2勝目が遠い。それでも今シーズン未勝利なのに賞金ランキングのトップに立っている。突出した武器を持たない代わりに、ステディーさがある。全体的なまとまりがあり、穴がない。つまり、かなり完成度の高いプレーを安定して展開できるゴルフ巧者といえるだろう。上位に食い込む試合が多いから、獲得賞金も着実に積み上げられることになるわけだ。底上げされたステディーなゴルフで優勝争いに加わることを期待しよう。

時松は全英オープンゴルフ選手権、全米プロゴルフ選手権のメジャー2試合に初出場した。残念ながら、どちらの試合も予選落ちだった。今平と違って、そのダメージは大きかったようで、こんな話をしていた。
「僕は日本でずっと調子が良かっただけに、変な自信がありました。でも、実際にメジャーの舞台に立ったら、そんなもの、木っ端微塵に打ち砕かれました。全英オープンも全米プロも、調子は悪くなかった。自分なりのゴルフはできたと思っています。でも、今の“自分なり”では、通じなかったということですよね。どうすればもっとレベルアップできるのか。大きな課題を与えられた気がします。まず飛距離アップが絶対に必要で、その上で、左右に大きく振られたホールロケーションを攻めるためには、ドローとフェードの正確な打ち分けも求められます。さらに、アプローチで様々な状況に応じられるショットのバリエーションも増やさなければならないでしょう。課題が多すぎて焦りそうですが、そんな簡単にクリアできることではないので、ひとつずつ身につけていくしかない」
メジャーは戦いの場ではなく、勉強の場になってしまったようだ。

 
初優勝を果たした大型プレーヤー、出水田大二郎と星野陸也は日本ツアー期待の星
出水田 大二郎・星野 陸也  国内開幕戦となる東建ホームメイトカップで重永亜斗夢が初優勝を果たすと、5月のミズノオープンでは秋吉翔太、8月のRIZAP KBCオーガスタでは出水田、フジサンケイクラシックでは星野と次々に初優勝者が誕生した。日本ツアーに生まれた新たな流れといってもよさそうな現象だった。
 出水田は、樟南高校時代に1年時の2008年から九州ジュニア(15~17歳の部)で3連覇を達成。高校卒業直後にプロ宣言した。2012年にチャレンジツアーでプロデビュー、2試合目の「きみさらずGL・GMAチャレンジ」で19歳にして同ツアー初優勝を成し遂げた。デビュー5年目の16年もチャレンジ中心の生活だった。未勝利ながら2位が3試合あり、賞金ランク7位でツアーへの挑戦権を得た。そして17年の日本プロで第1ラウンドでの75位から追い上げて自身初のトップ10となる10位タイでフィニッシュ。これを足掛かりにシード権を獲得した。レギュラーツアーに昇格してルーキーイヤーとなった今シーズン、プロ7年目の初優勝だった。183センチの長身を生かした飛距離はトップクラスだ。

星野は、身長で出水田を3センチ上回る。やはり、飛ばし屋だ。フジサンケイクラシックでの優勝だけでなく、全米オープンの予選会にも挑戦して出場権をつかみ、本選に臨んだ。結果は2日間で18オーバーと大きくスコアを崩し、予選落ちだったが、「また絶対に挑戦しに戻る」とリベンジへの熱を上げてもいた。飛距離を最大武器にする両大型選手には、戦いを熱くする大暴れを期待したい。
 
「日米の差に愕然とした」と秋吉翔太。開幕戦に続く2勝目を狙う重永亜斗夢。日本オープン初優勝に挑む石川遼
 5月のミズノオープンでツアー初優勝した秋吉翔太は、この優勝で全英オープンへの出場権も手に入れた。さらに6月のダンロップ・スリクソン福島オープンで2勝目を挙げ、その勢いで全米オープンの予選会も星野陸也とともに突破して本選に進んだ。今年最大にブレークした選手である。石川遼の活躍を見て、鹿児島の樟南高校を卒業するとプロの世界に飛び込んだ。出水田は、同校の後輩になる。プロ転向はしたものの、なかなか芽は出なかった。チャンスをつかみ、流れが変わったのは昨シーズンだった。予選会を突破して参戦したダンロップ・スリクソン福島オープンで6位タイに食い込み、日本オープンでは最終ラウンドに5連続バーディを奪って自己ベストの4位タイに。初シードを引き寄せた。
 全米オープンでは手痛い洗礼を受けた。82、77の通算19オーバーパーで予選落ち。「一言でいうと大変でした。アメリカと日本ではこんなに違うのか。フェアウェイもカチコチですし、ホールロケーションもシビアでした。自分の中で、これは通用したと思えるものは何もなく、全部ダメでした。世界を舞台にしたときの自分の力の無さに愕然としました」
 挑戦から、全てが始まる。全英オープンも予選で終わってしまったが、世界を舞台にした戦いで自分の現状を教えられ、多くの課題があることを嫌でも知らされることになる。日本オープンもまた、ゴルフの総合力が試される舞台だ。メジャー2大会に出場した経験をどう生かすか。それが、今大会での秋吉の大きなテーマになっている。

 重永は日本大学1年でプロ転向した。2012年のQTで3位に入り、13年は日本ツアーで戦うもシードをとれずに再度QTに挑み、今度は1位通過で14年シーズンに臨み、シード権を確保した。それでも初優勝までの道のりは長かったが、今季の東建ホームメイトカップで大きな壁を突破した。さらなるステップアップのためにも日本オープンは絶好の舞台になる。

 同世代に刺激を与え続けてきた石川遼から一時の勢いが消えている。腰痛から調子を崩し、USPGAツアーからも撤退を余儀なくされ、日本ツアーでの戦いにシフトを変えたものの、いまだに自分のゴルフスタイル、スウィングを模索中だ。「もうちょっと、というところまできているんですけど、“よし、これでいける”というレベルには達していない」というのが自己分析。日本オープンの舞台で、石川の現状をあぶり出す。USPGAツアーに復帰への道を歩みだすことができるか。

秋吉 翔太・重永 亜斗夢・石川 遼
 
アダム・スコットが2年ぶり4度目の出場
 「日本オープンの舞台に戻ってこられて非常に楽しみ。素晴らしい選手がたくさん出るので、ぜひ会場で応援してください」
 エントリーとともにビデオメッセージで日本のファンに、そう語りかけてきた。2013年のマスターズ勝者。メジャータイトルホルダーである。愛用してきた長尺パターのアンカリング規制でグリーン上のプレーに苦しまされるシーンが続き、本来の実力を発揮できない期間があった。レギュラーサイズのパターにしたり、クローグリップに変えたり…試行錯誤が続いたが今シーズン半ばに、一つの答えを見つけ出した。それは、レギュラーサイズと長尺モデルの2本のパターをバッグに入れ、長い距離はレギュラーサイズ、短い距離は長尺モデルと使い分ける方法だった。この“気づき”によって、シーズン後半は調子を取り戻し、プレーオフシリーズにまで進出した。全米プロでは3位に入り、マスターズに続く二つ目のメジャータイトルも狙えるところに戻ってきたといえよう。
 グリーン上のパフォーマンスが向上すれば、世界屈指のショットメーカーのゴルフは高いレベルで完結する。その雄姿を日本オープンの舞台で見たいものだ。
アダム・スコット
 
世界を経験したトップアマチュアたち
アジア競技大会、20年ぶりに男子個人・団体で金メダル獲得
 8月にジャカルタで開催されたアジア競技大会のゴルフ競技で男子日本チームは団体、個人ともに金メダルを獲得した。チームメンバーは金谷拓実(東北福祉大学2年)、今野大喜(日本大学4年)、中島啓太(代々木高校3年)、米澤蓮(東北福祉大学1年)の4選手。団体は4日間72ホール・ストロークプレーで行われ、各日上位3選手の合計スコアがチームスコアとして計算される。結果は通算28アンダーパーで5大会ぶり4度目の優勝。個人戦でも中島が通算11アンダーパーで日本選手としては5大会ぶり4人目の優勝を果たした。米澤を除く3選手は9月にアイルランドで行われた世界アマチュアゴルフチーム選手権にも出場し、世界を経験してきた。それが3選手をどう成長させたか。日本オープンで成果が問われることになる。

金谷 拓実・中島 啓太・今野 大喜・米澤 蓮
 
※出場選手情報は9月25日現在のものです
 
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