今平は全米プロゴルフ選手権に出場した。結果はカットラインに1打届かずの予選落ちだった。落胆はしていなかった。「確かに予選でカットされてしまいましたが、3年連続メジャーに出て、だんだん良くなって来て、少しずつ手応えを感じました。4大メジャーの中では全米プロが自分に合っているかな…と思います。フェアウェイが狭く、ラフは深い。ホールロケーションが難しい。その中で、予選を突破するには、ドライバーの飛距離をもう少し伸ばしたいのと、アイアンの正確性、ショートゲーム…少しずつでいいから全体的に上げていければ最初の壁は突破できるのではないかな」
メジャーで4日間を戦うために必要なことは、自力の底上げだと気づかされたことが、全米プロの収穫だったというのだ。日本ツアーで1勝はしているが、2勝目が遠い。それでも今シーズン未勝利なのに賞金ランキングのトップに立っている。突出した武器を持たない代わりに、ステディーさがある。全体的なまとまりがあり、穴がない。つまり、かなり完成度の高いプレーを安定して展開できるゴルフ巧者といえるだろう。上位に食い込む試合が多いから、獲得賞金も着実に積み上げられることになるわけだ。底上げされたステディーなゴルフで優勝争いに加わることを期待しよう。
時松は全英オープンゴルフ選手権、全米プロゴルフ選手権のメジャー2試合に初出場した。残念ながら、どちらの試合も予選落ちだった。今平と違って、そのダメージは大きかったようで、こんな話をしていた。
「僕は日本でずっと調子が良かっただけに、変な自信がありました。でも、実際にメジャーの舞台に立ったら、そんなもの、木っ端微塵に打ち砕かれました。全英オープンも全米プロも、調子は悪くなかった。自分なりのゴルフはできたと思っています。でも、今の“自分なり”では、通じなかったということですよね。どうすればもっとレベルアップできるのか。大きな課題を与えられた気がします。まず飛距離アップが絶対に必要で、その上で、左右に大きく振られたホールロケーションを攻めるためには、ドローとフェードの正確な打ち分けも求められます。さらに、アプローチで様々な状況に応じられるショットのバリエーションも増やさなければならないでしょう。課題が多すぎて焦りそうですが、そんな簡単にクリアできることではないので、ひとつずつ身につけていくしかない」
メジャーは戦いの場ではなく、勉強の場になってしまったようだ。
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