10番ホールからのスタート第2組の藤本は、B・ジョーンズの1組前でのラウンドだった。前半の9ホールは3バーディ・1ボギー。悪いペースだとは思っていなかったのだが、スコアボードに目をやると、ジョーンズが突っ走っている。
「あれだけバーディが出るということは、グリーンが柔らかくて止まることを計算に入れてピンを攻めているのだろうな…。自分も、もっと積極的なゴルフに切り替えないと、差を広げられてしまう。そう考えて、後半は、ピンに突っ込んでいきました」。
1番で、計算通りにピンそばにつけた。2番をボギーにしたものの、4番(パー5)でピンまで226ヤードの第2打を3番アイアンで、また突っ込んでいっ
た。3メートルに寄った。この距離を1パットで沈めてのイーグル奪取だった。7番(パー3)は3メートル、9番(パー4)では2メートル。積極策は、イーグル、バーディチャンスにつながり、6アンダーパーまでスコアを伸ばしてのホールアウトとなった。後続のジョーンズが後半足踏みしたこともあり、その差は、1打に縮まっていた。
今シーズンは、一時肩を痛めていた時期があり、十分な練習をこなせなかったという。ここにきて体調が回復し、「ショットもよくなってきている」という状態で迎えた本選手権。「グリーンが乾いてきたら、攻めるばかりではスコアメイクできなくなるでしょうね。その辺りの見極めが大切になると思います」。ホールアウト後の藤本は、冷静に4日間の戦いを見通していた。
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