第1ラウンドの68に続いて、この日も67と連日の60台で通算7アンダーパーにスコアを伸ばした日高将史が、2位タイグループに浮上した。昨年の賞金ランキングは75位の“準シード”。日本オープンの出場権は、西日本地区の最終予選会突破で手に入れた。本選への出場は決めたものの、その後1か月ほどは、絶不調ともいえる状態に陥ったという。「フェードボールを打とうとしているのにフックになったり、反対にドロー狙いがスライスになったりで、スコアメイクどころではありませんでした」。プロが忌み嫌う、いわゆる“逆球”に悩まされていたのだ。
なぜ?原因を追究して気づいた。「僕の場合、何かを意識して上半身に力が入ると、逆球
になることがわかったんです」ということで、本選手権に向けてしっかり修正してきたのだった。その成果が、「完璧に覚えているわけではないのですが、ティーショットでフェアウェイをはずしたのは、4回ぐらいだと思います。ラフからグリーンを狙ったホールは、あまり無かったと思います」。それが、前半2日間の好スコアに直結したことは、いうまでもあるまい。そして、そのことが、練習ラウンドでコース攻略の基本にすると決めた日高の思惑でもあった。
2007年にプロ転向したものの、ツアー出場機会がないまま、下積み生活を続けなければならなかった。チャレンジツアー時代には、地元宮崎でジュニアを教えたり、個人レッスンをすることで生活の糧を得ていた。香妻琴乃、柏原明日架、三浦桃香らの人気選手を輩出した日章学園で臨時コーチをしていたこともあった。
2017年もQT169位と苦しい立場だったが、主催者推薦で出場したHONMA TOURWORLD CUPで自己ベストの3位に飛び込み、HEIWA・PGM選手権で11位に入って一気に準シードへの道を駆け上がった。
今シーズンは、ここまでの獲得賞金460万円ほどでランキング102位にとどまっている。65位以内のシードラインには程遠い位置にいる。「予選会挑戦でつかんだせっかくのチャンスですから、これを、なんとか活かしたい。幸い、好調なゴルフになって大会に臨めたので、自分にちょっと期待しています」。
日高は、本大会で一気にシード当確のラインにまで浮上する気でいる。
|