今大会の出場している97選手中、最も多い18人の選手を送り込んでいるのは、日本大学ゴルフ部(以下日大)である。各校、揃いのユニフォームに身をまとって試合に挑んでいるから、各ホールに日大のユニフォームのいる感覚すらする。
その日大勢の中で、2日目の終了した時点で最も好位置につけているのは出利葉太一郎(3年)。
最初のターニングポイントは8番ホール(457ヤード・パー4)。ドライバーで放たれた打球はOBギリギリの場所へ。「点数で言えば0点の完全なミスショットでした」と振り返った。「苦手なシチュエーションと風でした。そして次のセカンドは出しただけの“チョロ”がバンカーへ入ってしまって。グリ
ーン手前の残り70ヤード
ぐらいのバンカーでしたが……ここでパーをセーブできたのが大きいです」と語った。
後半に入り10番ホールのティーショットを打った時点で、強雨のために中断を余儀なくされるが、出利葉は「この中断で気持ちの整理ができて、自分にとってはプラスだった」と振り返った。
プレー再開後、変化していくコンディションの中も、順調にスコアを伸ばし、この日7バーディノーボギーの64をマーク。通算8アンダーで5位タイにつけた。
「今シーズン、数多くの試合に出場させていただいているが、ここ最近試合に出ることが作業のような感覚になってきて……」。ただただ、目の前にある試合をこなすような感覚になっている時もあったという。
昨夜、宿泊先のホテルでコーチと話した際に感じた“気づき”が変化をもたらす。
「初めて試合に出た時の喜びやワクワクした気持ちが、最近は……。日本学生に出場したくても出場できない選手もいる。ここでプレーできるのは当たり前のことではないと気づきました。もう一度初心に返って日本学生に挑もう!と気づきました」と話した。
そして、先日「日本プロゴルフ選手権」を観戦し、日大OBである堀川未来夢の優勝を見届けた。「“勝つ瞬間”をこの目で見れたことは本当に貴重でした。先輩の優勝から良い刺激をいただきました。決勝ラウンドも感謝の気持ちを持って、この舞台でプレーできる喜びを表現したいです」と語ってくれた。
「最近、飛距離が自分の強みだと実感できるようになった」。18人の同じユニフォーム勢の中でも、出利葉の恵まれた体格はひと際目を引く。
明日から始まる決勝ラウンドも出利葉のプレーから目が離せない。
|