3日目をプレーを終えた出利葉太一郎(日本大学3年)は、これまでの2日間とは違って「とても疲れました」と話した。
スコアが悪くて大叩きしたわけではなく、むしろその逆。この日は9バーディノーボギーの62。通算17アンダーで単独2位につけた。9バーディというのは9ホールでバーディを奪取したわけで、そこに疲れる要素などない気がするのだが。
「プレー中は感じていなかったけれど、最終18番ホールで第2打の後、久々にドキドキしました。それまではスコアに意識せずプレーしてきましたが、最後はバーディを意識的に狙ってプレーしたら、その気持ちが強すぎたのか、どっと疲れました」と話した。
この日、前
半のターニングポイントは、やはり9番ホール。ティーショットはスプーンでやや右サイドのフェアウェイをキープ。残り159ヤードを9番アイアンでショットしたボールはピンまで約7メートルに位置につけ、この長いバーディパットを沈め、前半3バーディノーボギーの33でハーフターンした。
迎えた後半は、前半より増してショットが冴える。全てのホールでパーオンし、10番、11番は惜しいバーディパットを外してのパー。12番から15番は4連続バーディ、16番もバーディチャンスを逃してのパー。そして17番、18番と連続バーディを奪ってホールアウトした。
初日から首位を独走する宇喜多飛翔(大阪学院大学3年)とは同学年で、しかも出利葉は2001年5月12日生まれ、宇喜多は2001年5月16日生まれと誕生日まで近い。ラウンドを終えクラブハウスで顔を合わせれば、お互いの好スコアを「ナイスプレー!」と称え合える関係だ。今年はそれぞれ地区アマチュアを制し、互いにプロの試合にも出場するなど、日本アマチュアを制しナショナルチーム入りした岡田晃平(東北福祉大3年)らとともに、現4年生が卒業した後の学生ゴルフ界を牽引するであろう逸材である。
「宇喜多も調子が良いですが、諦めずにプレーしたいです。自分自身、明日の試合が最後までどう展開するのか楽しみです」と語った。
初日は本人曰く“ここからバーディが取れるの?”という場所からバーディが取れるなど、今大会は初日から運にも恵まれていると感じているという。
そろそろ「日本学生」のタイトルを日大が奪還してもいい頃である。今年の出利葉なら、やってくれるだろう。我々もその戦いぶりを楽しみたい。
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