宇喜多飛翔(大阪学院大3年)は、1番ホールで15メートルのバーディパットを4メートルもショートしてしまうピンチをいきなり迎えた。しかし、このパーパットを入れて「落ち着いた。入って良かった。ボギーなら流れをつかめかった。あのパーパットを入れたのが今日の7アンダーパーにつながった」とスタートホールでの渾身のパッティングが彼のこの日のプレーを大きく左右した。
「落ち着いてプレーできた」この日も64をマークして、通算22アンダーパーまでスコアを伸ばし、2位の出利葉太一郎(日本大3年)に5打差をつけている。第1ラウンド64、第2ラウンド63と連日の好スコアをマークしていて、万全の体制と見えるが「今
日あたり下から追い上げてくる選手がいるのでは」と不安も感じていたという。事実、宇喜多を上回る「62」をマークした選手が出利葉を含め2人もいた。5打差というセーフティリードがある故に、かえって「優勝して当たり前」のように回りからも見られ、それがかえって本人にはプレッシャーに感じる。
そこでほかの選手のスコアを「気にせず、自分のゴルフをすることに集中し」徹底した。「しっかりと自分のゴルフをする」ことで安定したプレーを取り戻した。
これで本選手権がストロークプレーで行われるようになった1969年以降で優勝最少スコアの「267」ストローク(2006年池田勇太)を更新する可能性が高まってきた。もちろん記録より「勝つ」ことが大事だ。それでも記録更新の期待は高まる。名前は「飛翔」と書いて「ツバサ」と読む。文字通り、「ツバサ」を大きく羽ばたかせることが出来るか。
|