1打差を追いかけて最終組の1つ前の組でスタートした室野歩。難度の高い2番(パー3)をパーでしのぎ、続く3番(パー4)ではバンカーから直接放り込みバーディを奪取。いい流れがきている予感があった。
「実は昨日は1番ホールから出て、スタートから4連続ボギーだったんです。それを考えるといい流れだなと言う感じでした。12番ホールまでは、全てパーオンできていたし、パーセーブするのはそれほど難しくありませんでした。優勝の確信と言うわけではありませんが、昨日のトップのスコアが4オーバーパーでしたから、もしからしたら何か(優勝)あるかなと言う気持ちはありました」
優勝を意識したからと言うわけではないだろ
うが、後半は14番から3連続ボギーを叩くなど、やや苦しい場面もあった。しかし、そこから大崩れすることはなかったのは、室野なりのセルフマネージメントが働いていたからだ。
「練習ラウンドの時にはたぶん90くらい打っていたと思うんです。これは難しいなと思いました。だから、それだけ難しいコースなんだから、第1ラウンドのスタートからの4連続ボギーに関しても、ボギーでもしょうがないと言う思いでやっていたんです。とにかく、それ以上は大叩きしないようにと」
その証拠に、室野は2日間でダブルボギーを1つも打っていない。最終ラウンドの69は圧巻のスコアだが、それ以上に評価されるべきはノーダブルボギーと言うことかもしれない。
敢えて自身のプレースタイルを表現すると『バーディも獲れないけれど、ボギーも叩かないスタイル』とのこと。
パープレーを目指して、欲張らず、自分ができることをやる。そういう面で、今回の舞台、宝塚ゴルフ倶楽部・旧コースは、室野のプレースタイルにマッチしていたと言える。
「優勝は本当に驚きました。今日は全てが上手くいきました。そうじゃなきゃ、このスコアは出せません。素晴らしいコースでプレーさせてもらい本当に感謝しています。日本ミッドシニアのデビュー年に優勝できたことを嬉しく思っています。そして、これからも精進して頑張っていきたと思います」
来年の舞台は横浜カントリークラブ・東コース。連覇に向けた新たな戦いがスタートする。
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