ライバルでもあり友人でもある大嶋港とは4打差の2位から第2ラウンドをスタートした佐藤快斗。この日は、なかなか波に乗れない苦しい流れの中でのプレーを強いられた。スタートの1番。幸先よくバーディを決めた佐藤は、「今日は、どこまでもスコアを伸ばしていけるかなと思った」と攻めのプレーを決意する。昨日とは一転して無風状態で33度まで上がった気温に他の選手のスコアは伸びないだろうという予想もあって、自分がバーディを量産していくしかないと決めたのだ。
しかし、そう上手くことは進まない。佐藤のスコアが動いたのは6番ホール。しかもボギー。これで前半はパープレーで思惑通りとはいかない自分のプレーにもどかしさ
を感じ、11番ではこの日2つ目のボギーを叩いてしまう。12番でもバンカーショットからの2打目をミスして残り40ヤードのピンチ。これをパーで凌ぐも、「流れが悪くなって」と厳しいプレーが続いていた。
その佐藤に転機が訪れたのは、13番を終えて、熱中症対策のために5分間の休憩。この小休止で「少しゆっくりして、次のパー5で絶対にバーディを獲るぞという気持ちになった」と気合いを入れ直し、その狙い通りにスコアを伸ばして見せた。このバーディで流れを取り戻した佐藤は続く15番もバーディ。17番でもスコアを伸ばし、この日4バーディ・2ボギーの69でホールアウト。通算5アンダーパーで大嶋との差を2打に縮めて明日の最終ラウンドを迎えることになった。
「大嶋選手は、小学生の頃からずっとすごかった。プレー中のリズムが変わらないところが本当にすごい」とその実力の高さを称賛する相手とは、全国高等学校ゴルフ選手権春季大会で惜敗を喫している。それから約5ヶ月。霞ヶ関カンツリー倶楽部で再び雌雄を決するときがきた。「日本ジュニアは、その時のリベンジと言う感じで」と話すが、「特に変わらずにいきたいですね」と意気込みすぎるつもりはない。その言葉に、自分が普段の通りのプレーができれば……という自信をのぞかせる佐藤。苦しみながらも2打差2位タイに踏みとどまって逆転への望みを繋いで迎える明日。ライバルの目の前で日本ジュニア優勝杯を掲げることができるか。
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