Championship Reports競技報告
Championship Reports競技報告
報告:M.Ideshima 写真:Y.Watanabe / K.Kinoshita
まさに盤石のゴルフだった。
日本アマチャンピオンの松山茉生(福井工大福井高校1年)が8バーディ・ノーボギーの会心のゴルフを展開。18ホール中16ホールでパーオンという数字が好調さを物語っている。
唯一のピンチは前半の15番(パー5)だった。ティーショットを右にミスして、セカンドショットも上手くリカバリーできずにサードショットをレイアップ。4打目でなんとかグリーンに乗せたものの、2メートルほどオーバーさせてしまい難しいパーパットを残した。
「あそこだけですね、ピンチだったのは。ワンピンくらいの下りのスライスだったんですけど、あれを決められたのは大きかったと思います」。
ピンチになっても焦らないメンタルが、松山のゴルフを大きく進化させている。きっかけは日本アマチュアゴルフ選手権の前週に行われたトヨタジュニアワールドカップだ。そこで個人戦を制した松山だが、その際にスコアの作り方の感覚を掴んだと言う。
「昔は曲がったらどうしようとか、ミスしたらどうしようとかを考えていたんですが、それが無くなって。ミスしてピンチになっても焦らず、グリーン周からアプローチでパーを獲れるイメージがあるんです。一番は焦るゴルフじゃなくなったことですね」。
この日はゴルフの内容自体が完璧だったが、調子が良いのではなくむしろ感覚がいいと表現する。もともと飛距離が持ち味だが、この日はとにかくドライバーの感覚が良かった。スタートホールとなった10番(パー4)で周囲の度肝を抜くティーショットを放つ。やや右ドッグレッグのこのホールは495ヤードで、普段はパー5で使用されている。そのホールでセカンドショットの距離は約150ヤード。使ったクラブはピッチングウェッジだ。誰もが想像しないラインに打ち出したティーショットは、軽々と右の林を超えて行ったが、超えると思えば本当に超すことができる。そんな鋭い感覚が霞ヶ関カンツリー倶楽部をねじ伏せた。
「3日目の天候は心配ですが、中止になっても中止にならなくても明日は伸ばせるだけ伸ばして、守りに入ることなく明日は5アンダーを目標にプレーしたいと思います」。
年頭の目標だった日本ジュニアのタイトル奪取に向けて、明日も攻めの気持ちでコースに挑むつもりだ。
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