トップに立った有村はボギーなしの1イーグル、3バーディーの完璧な内容。
「パットが良かった。たった25パットも自己ベストなら67も自己ベスト」と明るかった。2週間前に出場したサントリーオープンで2ボールタイプのパターを同じタイプのマレットタイプ、ちょっと重めのものに代えたら苦手意識がどこかへ飛んでいった。
「2メートル前後のパーパットを3回決めた。12番のイーグルも2メートル。この距離のパットが入ってくれるとゴルフが楽しい」東北高3年在学中の有村は、宮里藍の後輩。1年の時、宮里のキャディーを務め初優勝に貢献した。しかし、自分のゴルフはうまくいかず、昨年の今大会では予選落ちと振るわなかった。日本ナショナルチームのメンバー。日本代表で遠征したアジアナンバー1を決めるクイーンシリキットカップではルールトラブルで試合中、パニックになりコースの中で泣き出すという厳しい体験もした。「言葉が通じず必死で闘った。そのとき日本チームのキャプテンが来て、その顔を見たとたん気がゆるんで涙が止まらなかった」そんな体験を経てゴルフに変化が出た。「思うようにいかないが、頑張るだけがんばろうと前向きな気持ちになれた」という。大会参加選手中、ただひとりボギーなしの快挙はひたむきな努力の結果だ。
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