「アイアンの距離感とパットのストロークに悩んでいたが、ようやくいい感じです」宮里に感覚が戻ってきた。1回戦パープレーで同じ沖縄の照屋冷奈を5エンド3。2回戦は5バーディー、1ボギーの内容で豪州の留学先から出場の荒幡桂子を4エンド3で寄せつけなかった。
荒幡との2回戦。リードして迎えた15番ホールで相手が30センチにつけるバーディーチャンス。3メートルのパットを前に「ここで入れなかったら相手が波に乗る。絶対入れるぞ」と狙ったバーディーバットをねじこんだ。「微妙なタッチが大事なところで出た。試合勘も戻った。初めての北海道でラフの芝への戸惑いはあるが、やれそうだ」自信がよみがえった瞬間だった。
今季3戦目。3月、地元沖縄で行われた日本ツアー「ダイキンオーキッドレディス」が第1戦で16位、春休みの全国中学選手権は中学生として最後の試合を優勝で飾った。今大会は地元興南高(沖縄県)に入り、初めて高校生として出場している。わずか3戦で2連覇を目指すビッグゲームというところが、大物といわれるゆえんだろう。「相手が目の前にいるマッチプレーは集中できるので好き。がんがん攻められるので集中力が出ます」この日、2戦を闘ったことで生来の闘争本能が目覚めたようだ。
父親の隆さんとは電話で連絡を取り合っている。「アイアンの距離感がでないなら、クラブを5ミリから1センチ短く持って打て」と指示した父親には「早く北海道にきて下さい」とお願いしているという。昨年の日本女子アマを史上最年少14歳8ヶ月で優勝した中学生チャンピオンは2連覇を目指して優勝モードに入った。
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