「口惜しい」というとまた涙がにじんだ。記者会見のプレスルーム。ホールアウト後、ロッカーで流した悔し涙は乾く暇がなかった。「最近、泣いたことがなかったので久しぶりです」宮里が敗れた。昨年、彗星のように現れ、マッチプレー5戦全勝の中学生チャンピオン。今大会もここまで無敗伝説を8勝に伸ばして2連覇の夢を運んだ。だが、準々決勝を勝ち上がり臨んだ9戦目の準決勝で夢やぶれた。
タイで迎えた12番ホール(パー5)のセカンドショットをOBとして、リードを許した。13番ホール(パー3)は3パットで2ダウン。14番ホールでチップインバーディーを奪い生き返ったかと思われたが、15番ホール(パー5)でフェアウェーからの3打目をトップしてバーディーが取れなかった。17番ホールで山本のバーディーが決まって2エンド1。生涯初のマッチの敗戦となった。
「あせり出したのが悪かった。パットが昨日のように良くなくて、強く打てない。それでショットにも余裕がなくなったみたいです」と目を伏せた。「初めて相手が気になった。相手のプレーがよく見えた。自分で崩れたせいなのでしょうか」問いかけるような目を記者席に向ける。はじめての体験に心底、戸惑っていた。
昨年、史上最年少の14歳8ヶ月で手にしたタイトル。「連覇は意識しなかった」という言葉は本当だろう。しかし、今季ここまで3戦しか試合に出場しなかったのは、今大会を高校生最初の試合、と位置づけたかったためだった。今春にはプロツアーから推薦出場の誘いもあった。しかし、今大会を高校最初の試合に、というこだわりで断ってきたのだった。
「残念。くやしい。だから沖縄でアプローチとパットを鍛えて、またがんばります」けなげにいった。次の試合は7月15日からのスタンレーレディース(静岡・東名CC)。まだ15歳。新たなスタートを誓う姿は清新だった。
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