僅か1打差。石川の第3ラウンド進出はならず。ホールアウト後はあきらめ半分。それでも「もし、後半に進出したときは、早いスタートだと思うので最終ラウンドには遅いスタートになるように頑張りたい」夢を膨らませたが、現実は厳しかった。練習をし、結果を待ち続けたが、65位タイ。スタート時の順位は、ついにこえることなく終わった。
中嶋、谷原と2日続きのラウンド。11番で、いきなり右林へ打ち込むボギーと不安のスタート。14番パー3もグリーンをとらえられずボギーだった。が、16番ドライバーショットをフェアウェイのまん中に運ぶと3メートルを入れるバーディー。17番パー3では、5番アイアンのショットを1メート
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ルに寄せる会心のプレーでバーディーとスタート時の5オーバーパーにもどしギャラリーをわかせた。
プレッシャーのかかった後半、運命を分けたのは5番だった。ティショットは左ラフに入ったがグリーンまで僅か100ヤード。しかし、「球は芝の根っこの方に深くうづまっていた」。8アイアンでこん身の力を込めたが、80ヤード出ただけ。アプローチも寄らずボギーは痛かった。6番、7番はカラーからのアプローチパットが高速グリーンに合わず連続の3パットで3連続ボギーとなった。
「パープレーでプレーしようとスタートしたが、ボギーが先行。7番で8オーバーパーとなって、“めちゃくちゃ厳しいところにいる”と思った。“こうなったら挑戦だ、この空気を楽しもう”と、残り2ホール攻めたが、経験だけで終わった」と唇を噛んだ。
マンシングウエアオープンで優勝したスーパージュニア。その後フジサンケイクラシック15位、コカコーラ東海クラシック44位とオープン競技はすべて再3ラウンド進出をはたしたが、ついにカット。”連勝記録”は途絶えた。最も”本業”のアマチュアではマンシング後の日本アマチュア選手権で予選突破できなかった。これで公式戦は2連敗。しかし、第1日5403人、この日5690人のギャラリーを一手に引き寄せる活躍は、成績だけで評価することはできない。そのスケールの大きなゴルフを名門・相模原ゴルフクラブ、首都圏のギャラリーの前で思う存分発揮した。
カットとなっても、なお存在感。この日、最終ホールで谷原は石川にささやいた「ショットを打つタイミングのリズム、リラックスは練習ラウンドのあのリズム、タイミングでやればいいんだよ」トッププロの異例の励ましの言葉は全ゴルファーの総意といっていいだろう。
石川の日本オープンは2日間で6バーディー・12ボギー・1ダブルボギー。そのゴルフは生まれてはじめて経験することの連続。中でも深いラフと狭いフェアウェイ、高速で高いコンパクション(グリーンの硬度)は多くのプレーヤーをひるませた。しかし、石川は独りどのホールも攻め続け、見事だった。その多くのホールでドライバーをこん身の力で振り切って、潔かった。
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