2003年大会(日光)での日本オープンに最終ラウンド、64という猛烈な追い込みで優勝している深堀圭一郎が耐えるゴルフで1アンダーパー71をマーク、3位タイにつけた。「全部パッティングとショートゲームのおかげです。何故って、ティショットはほとんど右に飛んで、林に入るのだから。なぜか右の林なのです。中学2年生のとき、関東ジュニア大会でこのコースにお世話になった。その頃はフェアウェイ右側のラフは順芽で打ちやすかったという思い出がある。そのせいとは思えないが、ティショットを右に曲げて林の中…それが8番から5ホール連続ですから苦しかった。幸い、その5ホールを1オーバーで通過出来てラッキーでしたが」と反省
しきり。
全米オープンのようなメジャータイトルは“一度獲るのは誰でも出来る。二度勝つ者が真のチャンピオン”と言われることからも、4年前の勝者・深堀が真のチャンピオンをめざして当然であろう。「このタイトルの重みを知っている人間として、気持ちを切らさずに、自分の心と対話しながらやっている。本当をいえば、第1ラウンドの1番でいきなりダブルボギーを叩いてしまった時には、頭の中が真っ白になって“ここで止めてしまおうか?”と思ったほど。でも、今は明日の前半9ホールのプレーを精神集中してやりたいと思う。4打差は射程範囲とは思いますが、片山選手が最終ホールでバーディーを取れなかったのが救いですね。彼とは2打差にいますから」と意味深長なことを言う。言外に“ダークホース小田”のことは考慮の外という意味だろうが、過去のチャンピオン同士のみが知る、駆け引きの世界がすでに始まっているのかも知れない。ゲームの核心が見えてきた証拠であろう。
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