アドレスで同じ悩みを抱えていた馬場ゆかりとと諸見里しのぶが、好対照のスタートを切った。同じ悩みというのは、「構えたときに、どこを向いているのかわからなくなって、気持ちよくスウィングできない状態」(両選手)だった。ともに先週のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで、その症状を訴えていた。特に深刻だったのは馬場で「ドライバーショットはフェアウェイにいかず、アイアンショットはグリーンに乗らず。バラバラになってしまって、大荒れでした」。だから「日本女子オープンには、なんとか修正しようとキャディと一緒に1球ずつ後方からチェックして、なおかつクラブを足元に置いて、体の向きと、自分の感覚を合わせることに専念
しました」
第1ラウンド。スタートの1番パー5ホールで左ドッグレッグのコーナーをショートカット。残り210ヤードを5番ウッドで2オンに成功した。
「アドレスするまでは不安でしたが、狙いを決めてからは、自分は絶対に正しいセットアップをしているんだ、と言い聞かせてスウィングしました。それで、狙い通りのバーディーがとれたので、いきなり気持ちが楽になりました。自信も取り戻せました」
3番パー5ホールでも7メートルを沈めてアウトは34。10番にターンしてもボギーは12番(パー3)だけで4バーディーを加えて5アンダーパーと2位タイのスタートを切った。圧巻は15番パー5だった。ホールを谷が分断している名物ホールである。馬場はティショットを5番ウッドで谷の手前に止め、そこから3番ウッドで2オンしてのバーディーだった。ショットメイカーが持ち前のコントロール性を取り戻した証でもあった。
一方の諸見里は、「ずっと不安を抱えたままでした。特に、距離を出したいパー5ホールでは、スムーズにスウィングできなくて、ショットを曲げてしまいました。一時は2アンダーパーまでいったのですが、そこから2ボギーは、もったいなかったなあ…と思います。急いで練習場にいってアドレスをチェックします」
4ホールあるパー5で3バーディーの馬場。2ボギーの諸見里。先に不安を解消させた馬場が、大きく先行した。パープレーにとどまった諸見里は「でも…」と気を取り直して「明日からは、ガンガンいけそうです。そんな気がしています。コンディションのよい朝のスタートですから、ビッグスコアを出します。みなさん、思っていた以上にスコアを伸ばしているので、一歩一歩追いかけるなんて言っていられないと思います。追いかけます」
メジャー大会3勝目(今シーズン7勝目)に、早くも目の色がかわってきた。
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