2009年度(第42回)日本女子オープンゴルフ選手権競技
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競技報告
【10代最後の日本女子オープン。宮里美香が1打差2位タイに】
第1日 競技報告:三田村昌鳳    写真:Gary Kobayashi 渡辺義孝
宮里藍上田桃子、そして宮里美香という米女子ツアーを転戦する3選手が、一堂に会して、日本女子オープンのタイトルに向けてスタートした。

そのひとり、宮里美香は、ずっと米女子ツアーで、パッティングに苦しんでいた。
「いいストロークができているのに、自分の読みが合っていないで入らないのか、合っていても入らないのか。とても混乱してしまって、最後はフラストレーションがたまって、イライラしている自分しか残っていなかった」

ちょうど全英女子オープンが終わった頃から、18ホールで30パットを切ったという記憶がないほど不調だった。スポーツ心理学の先生にも相談したという。最後は、自分自身の心の問題だ
と言われた。グリーンの微妙なアンジュレーション、転戦するコースのグリーンは、気候や芝の種類、育ち方が大きく違う。そんな環境の変化を日々繰り返しているうちに、自分の尺度、軸線を見失いがちなのが米女子ツアーである。宮里美香は、その戸惑いと悩みの渦の中で、どうしたらいいのか解らなかったという。「ですから、今日は久しぶりの20台なんですよ」と、嬉しいというよりは、安堵したという表情で語った。

1番ホールからのスタート。479ヤード、パー5で3打目を1メートルにつけて、幸先の良いバーディー。「グリーンも(コースの雰囲気も、環境が)なにもかも違うので、逆にストロークに集中できました」という。いいパッティングしているのに入らないという(先入観的)気持ちを切り替えるには絶好の環境の変化だったわけだ。

「結果的に7番ホールはボギーになりましたけれど、無理せずにしっかりとレイアップしようと決めて、迷うことなくそれができたことが大きいです」

9番ホールでもバーディーとして、続く10番ホール、101ヤードをPWで1メートルに寄せてバーディー。さらに13、16、17番ホールとバーディーを獲って6バーディー・1ボギーの5アンダーパーで1打差の2位タイで第1ラウンドを終えた。「特に14番ホールで第1打を左に引っかけ、110ヤードを9番アイアンを使ってのハイボールがうまく打て、残り25ヤードの3打目のアプローチを寄せてパーがとれたことが大きいですね」

宮里美香は、昨年までアマチュア選手として活躍していた。4年連続で女子ナショナルチームメンバー。2004年の日本女子アマで史上最年少優勝記録(14歳8ヶ月)を達成。2006年に世界ジュニアを制覇するなど活躍していた。そして、プロ転向して今季から米女子ツアーに挑戦している。けれども、中学3年生から挑戦し続けている日本女子オープンでローアマのタイトルを獲ったことがない。
 この10月10日は、彼女の誕生日だ。20歳になる。

「(10代の)1が抜けるという実感が、まだ沸きません(笑い)。10代最後の日本女子オープンという意味でも、なんとか頑張りたいですね」と語った。 「それに……」と彼女は言う。 「父親が今月末に還暦になるんですよ(笑い)。そのお祝いとしても是非、と思っているのですけどね」
 彼女は、幸先の良いスタートを切った。

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