4位タイグループには、9人の実力者たちがひしめく。その中に、もちろん古閑美保、横峯さくらもいる。手首の故障で、まだ痛みはある。テーピングしながらの戦いを強いられている古閑。そのため、ややもするとショットも、澱みなく振り切ることの不安感が本能的にでてしまっていた。それが、昨日までの歯切れの悪いスコアになっていたのかも知れない。
「振り切らないであわせるよりも、振り切ったほうが曲がりにくい」と、ともかく振り切ることを心がけた。結果的に、そのほうが手首の負担も軽減されたのかも知れない。「18ホール、なんとか痛みがこらえられた」のだ。それと同時に、パッティングが良くなった。
「出だしの、1
、2番ホールで、2メートル、1メートルの距離を外したんですよ。そのときに、ふと、今日はショットがいいんだ、と、パッティングのミスを思うよりも、ショットの良さを自分に言い聞かせたんです。そうしたら、次(3番)の3メートルが入って、ポンポンと…」3番のあと4番、6番をとって33でターンした。そして14番をバーディー。16番をボギーにしたものの、最終ホールで上から3メートルを入れてバーディーとしてホールアウトした。「オープンは、なにが起こるかわからない。爆発的なスコアを目指したい」と、古閑も言い切った。
横峯さくらは、反省点の多いラウンドとなった。「うーん。(1日)長いラウンドっていうか、前半に打ちすぎです」という通り、1番でバーディーをとったあと、2、5、9番ホールとボギー。アウト38でターンした。
「その2番のボギーで流れが変わってしまったかも知れません」という横峯は、我孫子のラフ、しかも雨がたっぷりと含んだラフの状況判断ミスだったかも知れない。
「許される範囲だと思ったんですけど……明日は、ショットの正確性が求められますね」一見すると、フェアウェイウッドでもうまくいきそうな、悩ましい状況に見える。完全に深いラフに入った方が結論は早い。悩ましいぶんだけ、狙いたくなる。ましてや、攻めて攻めてスコアを縮めなければいけないポジション。そこに罠があったのだ。
最終ホール。ようやくバーディーがきて、なんとか通算4アンダーパーと明日につなぎ止めた。「明日につながるバーディーであって欲しいですね」と横峯は言う。それは、古閑も藤田も同じ気持ちだろう。奇しくも、最終ホールでバーディーであがった3選手の明日の行方が楽しみである。
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