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15番までに9バーディー(1ボギー)で、この日だけで8アンダーパーと突っ走ったのが星野英正だった。昨年の日本ツアー選手権のチャンピオンで、難しいセッティングのコースほど持ち味を発揮するタイプ。4組後でラウンドする石川遼のスコアを速報板で確認して刺激され、「今日は、ビッグスコアがでる日なんだ」と、その気になったゆえの快進撃であった。
終盤の16、17番を連続ボギーにしたことで、この日6アンダーパーの66、通算3アンダーパーでのホールアウトとなったが、前日の45位から42人抜きの3位にジャンプアップした。
「今は、アイアンショットが好調だから、それを活かせるように、とにかくティショットでフェアウェイを外さないことをテーマにしたラウンドだった。ドライバーでもアイアンのようなコントロールショットを続けた。おかげで、グリーンを狙うショットでは、どこに止めれば、次のパットを決めやすいのかを確認して、そこに打っていけた。16、17番の連続ボギーは口惜しいけど、最後の18番で手前にやっと乗ったところから長いパーパットを決められたから、気持ちは救われた。3連続ボギーのあがりでは、ショックが尾を引くものね。悔いの残らないストロークをすると、意地で決めましたよ」
星野は、大会前日の練習日に片山とラウンドしている。「練習場で打っていたら、片山さんがスタートしていったので、大急ぎで追いかけ、2番から一緒にプレーさせてもらいました。ラウンドしながら、攻略法なども話題にしました。ここは、打ちこんじゃダメとか、ここにカップが切られたら、第2打でピンを狙ってはいけないとか。再認識という意味では、参考になりましたね」
第3ラウンドは、アイアンショットでの狙いどころに、このときのラウンドが生きていた。
日本アマチュアゴルフ選手権競技では、3勝している星野。今大会会場の武蔵CC・豊岡コース入りすると、練習日から「あの頃からお世話になってきたJGAの関係者のみなさんに“そろそろ日本オープンに勝ってもいい頃じゃないか”と発破をかけられました。僕も、絶対に欲しいタイトルですから、最終ラウンドは、それを意識しながらプレーしようと思います。そして、フェアウェイをキープして、調子のよいアイアンショットを生かせるゴルフでリズムを守っていきます。このコースは、リズムを崩すとすぐに16、17番のようなことが起こりますから…」
アマチュアの王者からナショナルオープンのチャンピオンへ。星野は、ターゲットを絞り込んでいる。好調なアイアンショットの狙いのように。
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