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「なんとか出遅れなくて済んだかなぁ」とホールアウトするなり呟いたのは、飯合肇だった。インからのスタート。その出だしのホールでボギーを叩いた。10番ホール(546ヤード・パー5)だ。「このボギーで、流れが悪くて…」と言う。「第3打で40ヤードのアプローチが残ったんですよ。いちばん微妙な距離感でしょう。出だしで、あの微妙なタッチを要求するアプローチは、ちょっと辛いよね。逆に、第2打を2番アイアンぐらいで攻めて、もっとしっかり打てるアプローチを残した方が良かったかもね」と付け加えた。
流れが悪いというのは、出だしで、ボギーを叩いたことよりも、微妙なタッチのアプローチや、アイアンの番手と番手の間の距離が残っている場面で悩んだ末に打ったボールが、うまく距離感が合わない結果で終わってしまうことも含まれる。特に最初の3ホールで、そんな迷いや距離感の微妙な狂いがあると、その後のマネージメントでの決断に不安感を与えかねないからだ。
その「流れが悪い」というもう一つのボギーが、18番ホールだった。前半をなんとかイーブンパーにして、後半でアンダーパーにしたいという場面で、ボギーを叩き1オーバーパーでターン。「18番で、第1打をスプーンで打ち、残り距離が125ヤード。それをピッチングウェッジで打ったんだけど、ちょっと大きい、ちょっと軽くという加減がうまくいかずにボギーでしょう」と、出だしの微妙な40ヤードのタッチが合わなかったことが、ここまで尾を引いた。
「でも、今回はジャンボのエースキャディの佐野木(計至)に頼んでキャディをして貰っているんですよ。ハーフターンするときにも、かなり檄を飛ばされて、なんとか踏ん張れました」
2番ホール(195ヤード・パー3)。ここはすぐにボギーとなる難ホール。第1ラウンドの平均スコアが、3.57と今日の難易度のトップ。飯合は、ここで貴重なバーディをもぎとった。
「ピンまで205ヤードのやや打ち上げ。それを5番アイアンでピン左5メートルにつけてのバーディですから、貴重ですよ」
5番ホールでも、ピン手前から2メートルを入れてバーディとし、「なんとか出遅れなくてすんだ」という1アンダーパーの5位タイでスタートした。
「(日本シニアオープンという)意識が強すぎているのも確か。どうしても獲りたいタイトルだし、ここ数年が、いちばん年齢的にもチャンスがあると思っていますから……。明日から頑張ります」
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