早朝、霧が立ちこめていた。気温も上がらずに、肌寒さと重たい湿気がコースを覆っていた。7時15分からスタートした第2ラウンド。3アンダーパーの2位につけていた水巻善典は、7時51分、10番ホールからのスタートだった。
「晴天のときと、雨や曇りなど天候がすっきりせず湿気があるときは、飛距離が確実に1番手、2番手違ってくる。これって年齢によるものもあるんですね」とシニアの選手たちは、口を揃えて言う。シニア2年目の水巻も、少なからず、そういう感覚はある。
「特に(プレーが)止まると、ありますね。今日で言えば、10番からスタートして、ちょうど14番ホールにやってきたときに、濃霧で一時(プレーが)止まったんですよ。そしたらいきなりボギーでした」
1打落として16、17番ホールでバーディと盛り返して後半へ向かった。
「(この大会の重さとコースセッティングは)ティーショットから考えて打っていかないといけないので…つまり、自分がやろうとすることに対して、どうコントロールできているかということが大切だと思うんです」
第1打から、そのホールをどうマネージメントするかという確かな気持ちの確認と、よくよく無理をしていないか、という問いかけが大切ということだろう。
後半の1番ホールでバーディ。そして2番ホールでボギー。3~7番までパー。8番でバーディ、9番でボギー。通算4アンダーパーで第2ラウンドを終えた。
「もう少し、パッティングがよければ…という気持ちです。おそらく他の選手たちも、グリーンに悩まされていると思いますが、僕の場合は、それ以前に、ストロークにまだ自信がない。(ストロークで)思ったところにボールが出ない。気持ちいいストロークができていないんですよ」……とは言うものの2位グループにつけている。
「いつまで(日本シニアオープンに)出られるかわかりませんが、1回は勝っておきたい大会ですからね。たぶん60歳になるまででないと、勝てるチャンスが、どんどんなくなりますから」と、決して諦めない姿勢は、しっかりと持っている。
「僕にとってラッキーだったのは、日本オープンを経験してこの大会に臨んだことですね。ラフの深さやタフさ。グリーンのスピード…そういう感触がまだ残っていて、この大会ですから。精神的には、少し楽かな。でも…今日は、ジェット(尾崎健夫)と一緒の組だったけど、ちょっとはまれば65ぐらい出そうな内容だったので…。まあ、最後(優勝争いの佳境)は、残り3~5ホールになるでしょうね。そこが勝負でしょう」
水巻のタクティクス(戦略)は、すでにそこまでの読みが出来上がって、後半戦の2日間に臨む。
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